お腹を下してしまう子どもが心配。お腹の痛みの原因、見分け方はある?臨床心理士の視点からお伝えします。

お腹を下してしまう子どもが心配・・・ストレスからくる症状も考えられるけど、どうしたらいい?
そんな悩みについて、今回は臨床心理士である、大阪カウンセリングセンターBellflower代表、町田 奈穂さまにお伺いしました。



 

お腹の痛みの原因、見分け方はある?

「お腹が痛い」と言われたら、まずは食欲や体重の減少、嘔吐や熱の有無、お腹の右下を痛がる、血尿や血便がないかなど、腹痛以外の身体の症状がないかを確認することが大切です。
腹痛以外に身体の症状が確認される場合や、水っぽい便が24時間以上続く場合、水分が飲めておらず脱水症状が疑われる場合や、くだしている症状が軽い場合でも、2週間以上続く場合は受診するのが良いでしょう。それ以外に気になる症状があるときも、無理をさせず休息させることや、受診をおすすめします。

お腹の痛みがなかなか治らない・・・そんな時は?

原因不明の腹痛が長く続く原因は明確にはわかっていません。ストレスなどの心理的要因や、お子さんの性格や遺伝、その他生活環境や進学や受験といった時期的要因などが影響していることも考えられます。
心理的なものが原因である場合、朝トイレにこもりがちになったり、通学中に腹痛や便意が来てしまうのではないかという不安を常に抱えたりしている場合もあります。無理矢理トイレに行かせないようにして、登校を促さず、子どもの気持ちに寄り添い、慎重に対応することが大切です。
気になる症状や心配に感じるときは、お医者さんへ相談してみましょう。
 

自律神経の乱れが原因かも?そんな時は?

病気ではない場合、お腹の不調は自律神経の乱れが原因となることも多いです。
そのため、家では日々の生活の中で、生活習慣の乱れや運動不足を起こさないようにする工夫が大切です。
夜更かしをさせない、平日や週末で起きる時間を一定にする、朝食を食べさせることや、勉強やゲームなどで家の中で過ごす時間ばかりでなく、外で思い切り体を動かして遊ぶ時間をつくるなどが挙げられます。どうしても外で遊びたくない、というお子さんには手元だけでなく体を使って遊ぶことのできるゲームがおすすめです。
自律神経のバランスが整うことで腸の働きは正常になり、腸の働きが正常になることで日々のストレスが緩和されるという好サイクルも知られています。
 

ストレスからくる痛みの対処方法はある?

「お腹が痛い」と言うことが多かったり、トイレにこもりがちだったり、かと思えばしばらくするとケロッと遊んでいたりするお子さんの場合は、ストレスや精神的な心配事があると考えられます。
原因不明の腹痛が長く続く原因は明確にはわかっていません。
ストレスなどの心理的要因が考えられる場合は、お子さんの性格や遺伝、その他生活環境や進学や受験といった時期的要因などが影響していることも考えられます。
 
ストレスなど、精神的な問題が原因の場合は、まずお子さんは仮病ではなく本当に痛みを感じていることを知ってください。
「仮病でしょ。学校に行きたくないから痛いって言ってるでしょ。」などを言わず、痛みに寄り添うことが大切です。
他には、無意識のうちにお子さんに負担やプレッシャーを与えていないか、大人の行動を振り返ることも大切です。
子どもの前で喧嘩をする、よく声を荒げる、完璧を求める、たくさん習い事をさせている、などが知らないうちにお子さんに負担をかけてしまっていることが多いです。
そしてお子さんのストレスとなっている原因を探しましょう。勉強やお友達、習い事が多く遊ぶ時間がないなど、さまざまな原因が考えられます。
お子さんに直接聞くことの他に、どのような時に痛みを訴えることが多いのか、時間帯やその日の予定など観察することも大切です。原因が見つかった場合には、そのストレスを減らしてあげましょう。
 
また、「お腹痛い?」と心配して聞くのではなく、あえて関係のない話をしたり、遊びに誘ったりするなど、痛みやストレスから気をそらせることも大切です。
ただし、これは一時的な対処法ですので、お子さんのストレスの原因、例えば、緊張や不安などの場合はどのようにすれば乗り越えられるか、など対処法を一緒に考えたり、寄り添いながら一緒にチャレンジしたりすることが大切です。
子どももストレスを感じやすい時代です。お子さんの気持ちに寄り添って対応できればいいですね。

執筆者

町田奈穂
臨床心理士・公認心理師

経歴
同志社大学大学院 心理学研究科修了。
在学時より滋賀医科大学附属病院にて睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動を行う。
修了後はスクールカウンセラーやクリニックの臨床心理士を経験。
2020年、父の病気を機に父が経営する機械工具の卸売商社へ入社。
そこで多くの企業のメンタルヘルス問題に直面し、大阪カウンセリングセンターBellflower(大阪府寝屋川市) を設立。
現在は、父の後を継ぎ機械工具の卸売商社の代表を務めるほか、公認心理師・臨床心理士として大阪カウンセリングセンターBellflowerを新規事業とし、支援者支援をテーマとした研究や臨床活動を行っている。

大阪カウンセリングセンターBellflower
https://counseling-bellflower.com/

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