受験生の親の心がまえや、自身の経験から良かったと思えたものについて新見正則医院院長、新見先生にお伺いしました

そろそろ受験を意識する時期。多様化している今の時代に、親としてどんな心構えをすればいいのか分からない。そんな悩みに新見正則医院院長、新見 正則先生からお話を伺いました。




昔のスタンダードが通じない現在


親が人生の先輩の代表として子どもに将来のベストプランを語る時代は終焉を迎えました。僕が子どもの頃は、そしてつい最近までは、先輩が語る人生設計はほぼ間違っていませんでした。人生の多くは三段階で語れました。最初のステージは、成人前後までに自分が将来生きていける技能を身に付ける時です。そして身に付けた技能で定年まで生き抜くのがセカンドステージ、そして退職金と年金で余生を送って早晩お迎えが来るという人生設計です。先輩の多くは、「良い大学に行き、良い会社に就職すれば、人生は安泰だよ」というストーリーを語り、それが多くの場合ほぼ正解でした。
この三段階の人生プランは、世の中の変化がゆっくりな時代に成り立ったものです。時代が大きく変化するには30年以上が必要だったのです。

変化を続ける環境に対応する

ところが世の中の変化の速度が速くなりました。10年後の予想もできない時代です。30年後に生き残っている会社がいくつあるかもまったく解りません。

そんな時代を生き抜く素養は変化できる自分でいることです。以前は受験の合否で将来がある意味決まりました。ところが、これからは受験の合否はあまり重要ではありません。もちろん希望の進路に沿って合格することはその時点では悪くない結果です。しかしその選択枝が将来に亘って正しいかは誰にも解りません。変化できる才能を身に付けることが大切です。そんな変化できる才能を見つける道のりのひとつが受験勉強だと思えばいいでしょう。正解のない時代です。

くれぐれも親の昔の価値観を、過去の人生の成功プランを子どもに押しつけないでください。子どもが選んだ選択肢がまちがいだと言えない時代なのです。親が強引に子どもの将来を決めると、もしも上手く行かなくなった時に、子どもは親のせいにします。自分では変化できなくなります。変化できる自分とは自分で意志決定できる能力です。受験勉強で、そして進学校を決める時に、子どもの希望を十分に聞いてあげて下さい。これからの時代を生き抜くもっとも大切な能力は変化できる才能と思っています。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。

新見正則の生き方論は以下の最新刊も参考にしてください。
『しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通』

新見正則医院ホームページ

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