日焼け止めって子どもと大人で何が違うの?選ぶ基準は?そんな疑問についてアルバアレルギークリニック院長、続木先生にお伺いしました。

そろそろ日焼け対策も本格化の時期。子どもにはどんな日焼け止めがおすすめ?そんな疑問について、アルバアレルギークリニック院長、続木康伸先生にお答えいただきました。

子どもたちの健やかな成長にとって、紫外線対策は非常に重要です。紫外線は、肌の老化を早めるだけでなく、皮膚がんのリスクを高め、目の病気を引き起こすことが知られています。子どもの頃から適切な紫外線対策を行うことで、将来的な健康を守ることができます。

紫外線対策の重要性

紫外線は、特に午前10時から午後2時までの時間帯に強く、この時間帯の屋外活動は極力避けるべきです。また、日陰で遊ぶ、つばの広い帽子やUVカットが施された衣類を着用するなどの対策を取りましょう。
日焼け止めは紫外線(UV)から肌を守るための重要なアイテムです。紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、肌への影響も異なります。UVBは肌の表面に作用し、日焼けややけどの原因となる一方、UVAは肌の深層に影響を及ぼし、長期的なダメージや老化の原因となります。日焼け止めを選ぶ際には、これら両方の紫外線から肌を守れる製品を選ぶことが重要です。
※SPFとPAについて
-**SPF(Sun Protection Factor)**:SPFは主にUVBからの保護を示し、数値が高いほど保護効果が強いことを意味します。SPF30は約97%のUVBをブロックし、SPF50で約98%をブロックします。
-**PA(Protection Grade of UVA)**:PAはUVAからの保護度合いを示し、プラス記号の数(+〜++++)で表示されます。プラス記号が多いほどUVAに対する保護効果が高いことを示します。

日焼け止めの種類

紫外線防御剤には吸収剤と散乱剤があります。
吸収剤:
紫外線を効率よく吸収することができる物質で、吸収した紫外線のエネルギーを熱などの害のないほかのエネルギーに変化させ、放出させることによって紫外線防御の機能を果たしています。使用感が軽やかで、透明感がある処方としやすいですが、敏感肌の方は刺激を感じることがあります。
散乱剤:
紫外線を物理的に散乱させることによって紫外線防御剤として機能しています。白色粉体である酸化チタンや酸化亜鉛などが用いられるため、白浮きしたり使用感が重くなる傾向がありますが、赤ちゃんや敏感肌の方でも使用できる製品が開発されています。

日焼け止めの選び方

1)シーンに合わせて:
海やプールなど水辺での使用やスポーツ時は、ウォータープルーフタイプを。日常使いなら、洗顔料や通常のクレンジングで落とせるタイプを選ぶと良いでしょう。
2)肌タイプに合わせて:
敏感肌の方は、無香料・無添加、低刺激性の製品を選ぶことが大切です。また、乾燥肌の方は保湿成分配合の製品を選ぶと良いでしょう。
3)使用感を考慮して:
クリーム、ローション、スプレータイプなど、使用感や塗りやすさには個人差があります。自分のライフスタイルや好みに合わせて選ぶことが重要です。

使用のポイント

〇適量を使用する:
日焼け止めの効果を最大限に発揮させるには、適量を使用することが必要です。顔にはティースプーン1杯分、体にはショットグラス1杯分が目安です。また、商品に記載があれば、その使用量もきちんと守りましょう。
〇塗り直しを忘れずに:
汗や水で流れたり、タオルで拭き取られたりすることがあるため、2〜3時間おきの塗り直しが推奨されます。
〇日陰での使用も忘れずに:
日陰でも紫外線は届いています。屋外にいる際は日焼け止めの使用を心がけましょう。
適切な紫外線対策を行うことで、将来的な皮膚の健康を守ることができます。自分に合った日焼け止めを見つけ、正しい使い方で紫外線から肌を守りましょう。

子どもの日焼け止め選びの成分ポイント

子どもの肌はデリケートなため、日焼け止め選びには特に注意が必要です。以下のポイントを押さえて、子どもに合った製品を選びましょう。
〇植物・食物成分なし:
アレルギーがある場合は、該当する植物・食物成分は避けるようにしましょう。
〇ウォータープルーフなし:
専用のクレンジングが必要なく、肌荒れのリスクを低減します。
〇紫外線吸収剤を含まない:
肌に優しく、サンゴに害を与えない成分を選びましょう。
〇ミルクローションタイプ:
塗りやすく、2~3時間ごとの塗り直しも忘れずに。

子ども用と大人用の違い

驚くことに、子ども用と大人用の日焼け止めに大きな違いはありません。大切なのは、「肌に刺激となる成分が入っていない」かどうかです。つまり、敏感肌用や低刺激性の製品を選ぶことが重要となります。

日焼け止め以外の紫外線対策
〇時間帯に注意:
紫外線が最も強い時間を避ける。
〇日陰の活用:
日陰での遊びを心がける。
〇適切な服装:
UVカット効果のある衣類、つばの広い帽子、UVカットサングラスを着用。
〇日焼け止めの使用:
適切なSPF/PA値の日焼け止めを選び、適量を肌に「置く」ように塗る。

まとめ

紫外線対策は、子どもを守るだけでなく、その健康な未来を守るための投資ともいえます。日常生活で紫外線を意識した活動を心がけることが大切です。特に、子どもたちが外で遊ぶ際には、適切な紫外線対策を施してあげることで、皮膚の健康だけでなく、将来的に目の健康を守ることにもつながります。親としてできる紫外線対策を実践し、子どもたちの健やかな成長をサポートしましょう。

[執筆者]

続木 康伸(つづき・やすのぶ)先生
アルバアレルギークリニック 院長

[プロフィール]
新生児から妊婦まで、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
これまでの経緯をよく聞いて、あなたの症状に対して薬を選び、これまでとは違った角度で血液検査の分析を行い、あなたのアレルギーを全く別の方向からアプローチすることを目指しています。

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