子どもの性別や兄弟姉妹・・子どもを持つことで耳に入ってくるさまざまな言葉たち。
もちろんうれしい言葉もあるけれど、トゲのように心に刺さって抜けなくなってしまう言葉も・・。
今回は父親から性別を否定されてしまった女性、奈々さんが、成長していくなかで体験したさまざまな出来事のお話です。
男の子に生まれなかった私[1]私、男の子にならなくちゃ。
一姫二太郎とは・・
一人目に女の子、二人目には男の子を産むのが理想だという考え方のこと。
私の生まれ育った田舎では、後継を産む、という意味合いもあり、
男の子が産まれると大変喜ばれました。
私には姉がおり、
「次は男の子だねぇ!」
と、母が私を妊娠中、家族が口を揃えてそう言っていたそうです。
でも
「え?・・・次も女?」
性別を聞いた父の落胆はすごかったそうです。
そして・・私が生まれました。
幼少期から
「お前の性別がわかった時はがっかりして涙が出たよ・・。なんでうちには男が生まれなかったのか・・」
父は、私の顔を見るたびに心底がっかりした口調で話すのです。
「わたしが男の子だったら、おとうさんはうれしかったのかな・・」
幼い私は、そんなふうに思いながら過ごしていました。
その後も
「男が良かった」
「お前が男だったら・・」
「どうしてお前は女なんだ」
親戚の前で、近所の人の前で・・父から事あるごとに言われ続けました。
「男の子にならなくちゃ。わたしが女の子だからいけないんだ。」
お父さんが悲しむ。お父さんが笑顔になるためには私は男の子じゃないとダメなんだ。
自然とそう思い込んでいくようになったのでした・・。
そして私は
男の子の服を着て、男の子のおもちゃを欲しがり、
近所の男の子よりも男の子らしく元気でやんちゃ・・そんな女の子に育っていきました。
「奈々はまるで男の子だなー!」
あはははっ!と笑いながらそう言う父、
私を見て喜ぶ父の姿が、私もとても嬉しかったのです。
そして・・
「奈々!あなた、また近所の男の子と喧嘩してきたんですって!?」
「うんっ!」
男の子のようになる。
それが・・正しいことだと思うようになっていました・・・。
続きます。
ママ広場オリジナルマンガ「男の子に生まれなかった私」は毎日更新します。おたのしみに!
----------------
※ストーリーは体験者の話を元に作成していますが、登場人物や団体名は仮名で作成しています。
※実在の人物や団体等とは関係ありません。
[脚本]ママ広場編集部 [作画]みつけまま
作画:みつけまま
2歳長男・0歳次男(R5.3月誕生)を子育て中のワーママです。