子どもがよく下痢をする。なにかできることがあれば知りたい!ディオクリニック統括院長、藤井先生に伺いました!

子どもが下痢をするので心配・・・なにかできることがあれば知りたい!そんな悩みに、医学博士、循環器内科専門医である医療法人社団正恵会 ディオクリニック統括院長、藤井崇博先生にお伺いしました。



子どもの下痢の原因は?

子どもの下痢が続く原因として多いのは消化不良やウイルス・細菌感染などが考えられます。
ウイルス・細菌感染による下痢の場合でも、2週間以内に下痢は治まることがほとんどです。
2週間以上も下痢が続く場合には、特定の食物の過度摂取で消化不良が続いている場合もしくは、乳糖不耐症・セリアック病・炎症性腸炎などの可能性も否定できません。
子どもの消化器官は大人に比べるとまだ未熟です。
体が疲れていたり、風邪をひいていたり、体が弱っているときは食事が未消化で出てきてしまい、下痢の原因となります。
また、消化不良を起こしやすい食べ物として食物繊維を多く含むキノコ類や海藻類、脂肪の多いバラ肉や揚げ物などがあげられます。
下痢を繰り返し、自宅での食事としてこれらの食品が多い場合は、減らしてみたりすると下痢が改善する場合があります。
下痢に加えて嘔吐、発熱、元気がない、食欲がない、便が白っぽい、下痢に血液が混じるといった症状があるときは、ウイルス性胃腸炎・細菌性胃腸炎(食中毒)の可能性があります。
この場合、他の人にも感染します。このとき、下痢は、体の中に入ったウイルスや細菌を出している体の働きです。
原因となるウイルスや細菌が出るまで、長く下痢が続くこともあります。
子どもの感染が多く、下痢が長引きやすいウイルスとして、ロタウイルスがあげられます。
手洗い不十分なまま、子ども同士で手をつないだり、おもちゃを共有したりすれば感染します。

子どもの下痢の自宅での対処法を教えてください。

下痢が続いているときは、お子さんを安静にさせてください。
楽な服を着せ、楽な体勢で寝かせてあげましょう。
また、脱水症状を起こさないよう水分補給をこまめに意識的にするようにしましょう。
水分補給なのですが、できればただの水分を与えるよりも、電解質が入った経口補水液を与えるようにしましょう。
経口補水液がない場合は、スポーツドリンクでも大丈夫です。
常温の飲み物を選ぶとよいでしょう。冷たい物を飲むと下痢につながってしまうことがあります。
嘔気がある場合は、水分を一度に大量に飲ませてしまうと嘔吐してしまうことがあるので、スプーンで1杯ずつ繰り返し与えるようにしましょう。
嘔気、嘔吐がない場合は、スプーンでなくコップなどで大丈夫です。
食欲があれば、食事をしても構いませんが、無理に食べる必要はありません。
胃腸が弱っているため、おかゆなどの消化の良いものを食べさせてあげましょう。
下痢の症状が強い場合は、感染拡大や脱水の観点からも入浴は控えましょう。
また、下痢はウイルスや細菌を体の外に排出している人間の生理的な反応です。
無理に下痢止め薬で下痢を抑えてしまうと、ウイルスや細菌の排泄が上手く出来ず、症状を悪化させてしまう場合がありますので注意が必要です。
お薬を使いたい場合は、医師の診断を受けてから、適切な薬を使用してください。

病院受診の目安はありますか? 

症状が下痢のみで、本人の食欲もあり、水分もとれる元気そうな場合は、しばらく自宅で様子をみていても大丈夫ですが、下記の場合は早めに病院受診をしましょう。
・1週間以上も下痢が続いている場合
・下痢に嘔吐を伴う場合
▼下記脱水症状がある場合
・39℃以上の熱がある
・目が落ちくぼんでいる
・1日6回以上の多量の下痢
・機嫌が悪い
・ぼんやりして、眠りがち
・嘔吐が続いている
・顔色が悪い
・泣いても涙が出ない
・尿量が減る。尿の色が非常に濃い
・皮膚、口、舌が乾燥している
・我慢できないほどの腹痛・下痢・嘔吐・発熱の症状がある場合。

嘔吐を伴うときは、ウイルス性・細菌性の胃腸炎(いわゆる食中毒)の可能性があります。
特に緊急性が高い症状として
・食中毒の症状が出ている(経験のない強い症状・嘔吐・腹痛など)
・便器が染まるほどの出血が便に混じっている
・下痢の他に嘔吐・発熱などがある
・排便が終わった後も、腹痛を訴えている

があり、こちらに該当する場合は夜間、休日などの診療時間外でもすみやかに医療機関を受診するようにしましょう。
出血が便に混じっている場合は細菌性腸炎や腸管出血性大腸菌(O-157)などの可能性が考えられます。排便後も腹痛が続く場合は、腸重積や虫垂炎(いわゆる盲腸)などの疾患のリスクがあります。放置すると、命の危険にさらされることもあります。上記のような症状がなくとも心配な場合は、できるだけ医療機関に相談されることをおすすめします。

執筆者

藤井 崇博先生
医療法人社団正恵会 ディオクリニック統括院長

経歴
専門領域は循環器内科で心臓領域を専門としており、研修医から2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事させて頂き、循環器内科専門医、循環器内科領域での医学博士号を取得しております。
現在も循環器疾患を含め外来での診療は継続させて頂いております。
循環器内科医として様々な患者さんの診察に日々従事する中で、何よりも大事なのは未病、医学的には一次予防と呼ばれる未然に病気になるのを予防しようとする意識が大事だと常々思います。
最近では対面でお話出来ないことも多いので、SNSやその他コラムなどで健康に有益な情報の発信に力を入れております。

藤井先生@ダイエット豆知識チャンネル

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