そんなつもりじゃなかった!小1息子へ友達との関わりのアドバイスを間違えてとんでもないことに。

息子が保育園に通っていた時、友達との関わり方について少しだけ気になっていたことがありました。
それは息子が1~2人の決まった友達とばかり遊ぶことです。
担任の先生に園での様子を聞くと他の友達と遊ぶこともあるようですが、一番仲の良い友達とはいつも一緒だそう。家で保育園の話をするときは、いつも同じ子の話題ばかりです。
仲の良い友達ができるのはとても良いことですが、他の子たちとも違う遊びをしたり、たくさんの友達と遊べばいいのに・・・。



新しい友達も作ってほしくて・・小学校1年生になった息子へのアドバイス


小学校入学式。
知らない子もたくさんいるし、保育園は違ったけれど顔見知りの近所の子達もいるので息子はワクワクしている様子でした。受付を済ませ、案内されたクラスに向かうと・・・。保育園年長組で一番仲の良かったNくんの姿がありました。
Nくんはいつもニコニコして人懐っこくて明るく子供らしい子なので、私も大好きです。
お互いの顔を見るなり「同じクラスだ!やったぁ!」と嬉しそうに手を繋いでクラスに入っていく息子とNくんの姿が微笑ましくて、これから小学校に通うのが楽しくなるのだろうなぁ、良かったねと思う反面、またNくんとばかり遊んで、新しい友達がなかなかできないのではないかと、正直少し残念な気持ちにもなってしまいました。

初登校の前日。
夫と私と息子3人でお友だちとの関わり方について話しました。

「新しいお友達がたくさんできるといいね。」
「うん!」
「お友達ができる魔法知ってる?朝、教室に入ったらまずは席の近い子の目を見てニッコリ笑っておはよう!って言ってみてね。」
「うん、知ってるよ!」

そしてアドバイスのつもりで・・・。でも今になって思うと、意図していることとは全く違うことを、夫と私が口々に刷り込んでしまったのです。

「前からお友達のNくんとばっかり遊ばないでさ、新しいお友達とも遊んでね。」
「・・・うん、わかった。」
私はこの時きっとモヤモヤしたりなぜこんなことを言われるのか理解できていなかったりしていた息子の心に気付かず、ただ息子の新しい小学校生活が順調に滑り出しますようにと勝手な思いで願っていました。

あからさまに友達を避ける息子

小学校へ入学して数週間経つと、とても楽しみにしていた初めての授業参観がありました。
先生の説明がよくわからず固まっているのを見てハラハラしたり、自己紹介で自分の名前を大きな声で言えてホッとしたり、まだ6歳の子たちが一生懸命取り組む姿が可愛らしくて早く夫に報告したいなぁと思いながら楽しく授業を観ていました。

授業が進み、生徒たちが立ち上がって自由に相手を見つけ、お互いに自己紹介をするというアクティビティーがありました。
「自己紹介ですから、いつも遊んでいるお友達ではなくて、話したことのないお友達を見つけてみましょう。」と先生が言いました。
・・・そうそう!私もそう思います先生!
そう思いながら息子を探すと、さっき練習で自己紹介をした隣の席のお友達とまたやってる・・・もう。
次に、Nくんが息子の名前を呼びながらやってきました。すると息子は、慌ててNくんに背中を向けて逃げるように別の子の方へ。楽しそうに追いかけるNくんに「捕まえた!」と腕をつかまれて自己紹介をしていました。(いや、お互いによく知っているけどね 笑)
Nくんは終始ニコニコしていて、息子だけではなくいろんなお友達にどんどん声をかけてとっても楽しそうで私も笑ってしまいました。息子は先生の「話したことのないお友達」ということばを思い出したのかな?それなら良かったと思うべきなのになんだかモヤモヤしたのは、息子の表情がずっと硬かったからです。

授業参観が終わり息子と一緒に帰ろうと歩き出すと、ちょうど後ろからNくんとNくんのママが「途中まで一緒に帰ろう!」と声をかけてくれました。すると息子の表情がまた硬くなり、手を繋ごうとするNくんの手を振り払ったり、走って距離を取ろうとし始めたのです。先ほどの私のモヤモヤは確信に変わりました。息子はあんなに仲良しだったNくんを避けている!その時は私自身の言葉が引き起していることだと気づかず・・・それどころか息子の意地悪な態度に腹が立ったし、NくんとNくんのママが悲しい気持ちになるのではないかとヒヤヒヤしました。幸いと言って良いのかわかりませんが、追いかけるNくんと逃げる息子がちょうど鬼ごっこで遊んでいるような形になり、Nくんは楽しそうに笑って息子を追いかけていたのでNくんのママが息子の表情に気付きませんようにと祈る気持ちでNくんの家との分かれ道まで歩きました。
「バイバーイ」と手を振る時はいつもの様子だったので、完全に無視を決め込んでいるのではない息子。




Nくんと分かれてすぐ、私は息子にNくんと何かあったのか聞いても特にない様子なので、だんだん強い口調で言い始めました。
「手を振り払ったり声をかけられているのに知らんぷりしたり!ママ気付いてたよ!あんな態度をされたらどういう気持ちになる?!」
「・・・悲しい気持ち。」
「どうしたの?何かあった?」
「なんにもないよ。・・・違う友達と遊ぶんだよ。」

あ。
私はそこで初めてドキッとしました。

息子は夫と私の言葉を守っていた・・・!


帰宅後おやつを食べて落ち着いたころ、もう一度Nくんのことを息子と話しました。
仲良しのはずのNくんとケンカしたわけでもないのに、どうしてあんな態度を取ったの?

「だってさ」と言いながら、息子は言葉を選びながら「Sくんと遊ぶからだよ」とか「違うお友達と遊ぶよ」などと言いにくそうな様子です。
やっぱりそうか・・・。私は自分が息子に伝えたことが息子を苦しめていたのだということに気付き、苦しくなりました。
「もしかして、パパとママがNくんとばかり遊ばないでって言ったからじゃない?」
そう聞くと、息子は少し涙目になりながら頷きました。
「Nくんは古いお友達。もうたくさん遊び過ぎたから、新しいお友達と遊ぶって・・・パパとママが言ったでしょう?だから僕はS君と遊ぶんだよ。」
そうだよね?間違えていないよね?と不安げな顔で、小さな声で息子は私に聞き返しました。確認するように。

仲良しの友達を避けるのは辛かったね。ごめんね。
それでもパパとママの言ったことを守って、新しい友達を作っていたんだね。



息子と話したこと

新しい友達を作ることはとても良いこと。でもそれは前からの友達とはもう遊ばないということではないということを、もう一度ゆっくり息子に話しました。Nくんとも前みたいに仲良しでいいんだよ、それに新しい友達のSくんも一緒に遊んだらもっと楽しいじゃない?と具体的に名前を出すとよくわかるようでした。

それから数日間はついつい息子に「今日はNくんと遊んだ?」と聞いてしまいましたが、それも良くないと思い改めました。
そもそも「新しい友達をつくりなさい」「前からの友達とばかり遊ばない」など、まだ小学校生活が始まってもいないうちから言う必要がなかったと反省しました。心配し過ぎた私の先走りでした。

先日、学校から帰って楽しそうに息子が話してくれた「放課の海賊ごっこ」のメンバーには、NくんとSくんの他にも私の知らない子の名前が何人もいました。
息子は子どもの社会で、自分のペースで居場所を作っていくんだな。
心は絶対に離れないけれど、私の余計な口出しと心配のし過ぎは息子から離していかなくては。と思いました。

トラのママ
小1息子の子育て真っ最中ワーママ
Twitter:トラのママ@バネッサパースキー・ジャパン(@vperske_jp

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