【絵本の力】タイミング間違えた!?「死」が不安な5歳息子への読み聞かせで私が眠れなかった夜

5歳息子は寝る前にベッドの中で絵本を読んでもらうのが大好きです。
ストーリーに紐づけて保育園の様子や息子の感じ方などを知ることができる、私にとっても楽しい時間です。

ママ広場で読んだみーみのママさんのブログで、今ちょうど「読書週間」なのだと知りました。

子供って絵本の主人公に影響されて、やる気スイッチが押される時もありますよね。
5歳息子も、通信教育教材で人気のトラのキャラクターと張り合って野菜を食べたり着替えたりしています。(トラ同士だからかな。笑)
読書週間に何か新しい本を買ってみようかな、と絵本を探していた私が見つけた、今の息子にピッタリだと思った絵本。
でもその絵本を読み聞かせた息子の反応で自分の浅はかさを思い知らされ、苦しくて眠れなくなったできごとがありました。



きっかけはアニメ

息子は“仲良く喧嘩する”ネコとネズミのアニメがお気に入りで、よくひとりでゲラゲラ笑いながら見ています。
いつものように楽しく見ていると、お話のひとつに、ネコが事故で死んでしまって、長い長いエスカレーターで天国の手前まで上っていくシーンがありました。

それ以来、息子は「死」に漠然とした不安、恐怖、疑問が湧いたようです。
「ボクがおじいちゃんになったら天国に行くの?」
「ママとパパは?ボクひとりになっちゃったらさみしい。」
「天国に行ったら、そこでお泊りするの?いつ帰ってくる?」
などと聞いてくるようになったのです。

皆さんにもありませんでしたか?
小さいころ、急に自分の親や身近で親しい人の死を想像してしまって、悲しくなった思い出。
私にはありました。ちょうど今の息子くらいだったと思います。ママがいなくなったら悲しい、私はどうしたらいいんだろうと想像して泣きながら寝たことが何度かあります。

息子の場合、戦いごっこや鬼を滅する漫画などの影響で「死ぬ」「殺す」などの言葉は知っていました。
死ぬ。それで終わりという感覚。
ところが今回初めて、死んだ後のことを考えるきっかけになったのでしょう。そうなって初めて、死というものが自分やパパママにも訪れるものなのだと、なんとなく感じたようです。

生きているものはみんな誰でも死んでしまうんだよ。
それは順番だから、お別れの時にはさみしいけど、仕方がないんだよ。
トラがおじいちゃんになる頃には、もうパパやママはここにはいないけれど、トラにはきっと大好きな人や子供やその子供もいるからひとりじゃないよ。

思いつく限りに話してみたけれど、自分でもしっくりこないのに息子が納得し安心するはずもありません。
そこで死についての絵本を探してみることにしました。



ネットで見つけた、息子にドンピシャな絵本

最初に思い付いたのは、以前読んだブログで紹介していた「いのちのおはなし」です。

いずれは買っておきたい絵本ですが、本の中で「10歳のきみたちへ」とあるので息子には少し難しいかな。
生きることにフォーカスする本よりも、今息子の疑問は「死んだらどうなるの?」なので、死にフォーカスしている本を探して見つけたのがこちら。

死ぬってどういうこと?大好きな人が死んだら,どうすればいい?子どもに問われ,返答に迷う内容を,わかりやすく説明した絵本。

本が届いて、私はワクワクしていました。
息子と一緒に読んで、考えて、息子に「死」「命」の大切さを理解してほしい!

読み聞かせた夜、息子の反応は...

この絵本の良かったところは、人の死はいつ起こるかわからないから今日を大切に生きようと教えられるところ、また残された人はどうやって故人を想うのかが具体的に書かれているところだと思います。
また、死後どうなるかはひとつの考え方(宗教)にとらわれず、いろいろな考え方があるのだとしているところも良いと思いました。良いところでもありながら、5歳息子が一番知りたい「どこへ行ってどうなるの?」という疑問にはやはりハッキリ答えられないのだな、とも思いました。だって、答えられないのが正解なんだもの。

絵本にしては少し長めのお話の間、息子はじっと黙って聞いていました。
...はい、おしまい。
いつものように本を閉じ、電気を消して息子にお休みのキスとハグ。
息子はまだじっと黙っていました。

しばらくして、絞り出すように小さな声で
「ママ...今日のお話、ボクはね、涙が出ていたんだよ」
ドキッとしました。
息子はそれだけ言って、私に背を向けて泣くのをこらえているようでした。
どう思った?どうして涙が出たの?
私が聞いても、息子はもうこれ以上答えたくないのか、泣くのをこらえているのか、肩で息をしています。
そしてまたやっとの声で言いました。
「ママのお話...ボク涙が出ちゃったの。全部悲しかった...」
私の心に、見えない何か細くてとがったものがスーッと刺さってくる気持ちになりました。

今この絵本は本当にドンピシャだったのか?反省したことと、良かったこと

真っ暗な寝室で、息子と向かい合い、ギューッと抱きしめました。
悲しい気持ちになっちゃったんだね。大好きな人が死んじゃうのはとっても悲しいよね。
そういう風に悲しいなぁって思う優しい気持ちのトラが大好きだよ。
でもね、悲しいお別れでも、心の中でいつでもその人を想えるって本に書いてあったでしょう?目を閉じて、いつでもニコニコしているお顔を思い出せるんだって。
いつかわからないお別れのことよりも、ママはトラと今毎日一緒にいられることがとっても嬉しいなって考えるよ...
心から言ったけれど、伝わったかな。
息子は黙って、でも大きく何度もうなずいていました。

自分の浅はかさが悲しくなりました。
本が手元に届いたとき、最初の数ページだけをペラペラめくって、「良さそう」と思ったこと。
絵本を読んだら息子の不安は少し和らぐと勝手に思い込んでいたこと。
絵本を読んだ後に息子と死について話す準備をしていなかったこと。




それでも、とても良かったと思えたことがあります。
誰かが死んじゃうことを考えて、トラは今とても悲しい気持ちになっているでしょう?じゃぁさ、小さな虫を踏んじゃったり、戦いごっこでお友だち同士で死ねとか殺すとか簡単に言うの、どう思った?
息子は大きく力いっぱい首を横に振り、「ダメ!」と言いました。

この絵本はこれから息子が自分で本を読めるようになってからも何度も読んでほしい本です。
だから購入してよかったと思っています。

では「死」を不安に思っている息子に読み聞かせるタイミングだったのかどうか。
私は間違ったタイミングではなかったと思います。(思いたいのかな。)
息子のタイミングかどうか、というよりは私の準備不足だったなと反省しました。
先にちゃんと読み込んでおけばよかったです。

この日、いつまでも眠れませんでした。

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