前回の話
義実家を訪問するたびに指定された大量のお菓子を一人で準備しなければならないユミさん。なにも手伝ってくれない夫に文句も言わず自分の時間を割いて準備しても、義実家ではまるで透明人間のような扱いをされるのでした。
嫁の私は透明人間[2]義母と夫はべったり
「お義母さん、買ってきました。」
お菓子の袋をいくつも抱え、ユミさんが目の前の義母に声をかけても返事はありません。
けげんな顔でチラリと見ただけで、すぐにダイ君の方へ行ってしまいました。
「キッチンに置いておきますね。」
独り言かのようにユミさんは言って、独りでキッチンへ行きました。
ユミさんがお菓子を置くや否や、義母はすぐに袋を開けてお茶の準備。
息子と孫の元へと笑顔で戻っていくのです。
「お菓子とお茶よ~。」
もちろん、ユミさんへの「ありがとう」どころか、ユミさんの分のお茶もお菓子も用意されることはありません。
ユミさんは心の中でつぶやきました。
・・・あぁ、またか。
義実家に来ると、ユミさんはお使いだけは頼まれるのに、それ以外はまるで透明人間です。
ダイ君が産まれてからは、特にひどくなっているとユミさんは感じているのでした。
ご主人の実家では、家族の中心はいつも義母でした。
ダイ君が1歳の時に義父が亡くなってからは、もともと仲は良かったけれど、義母と夫はべったり。
ご主人にそっくりなダイ君を本当に可愛がってくれているのはいいのですが、嫁より自分に懐いて欲しいと思っている義母は、ダイ君がママの事が大好きなのが気に食わないのか、ユミさんの事をいつも邪魔者扱いするのです。
そんな扱いをされ続けたらさすがに我慢の限界がきて、ユミさんは以前ご主人に相談したこともありました。
「実家に帰るのに私がいなくてもいいんじゃない?」
ご主人のお母さんの事ですから、角が立たないように言いましたがご主人に
「ユミがいないとダイが泣くだろ。」
ムッとして言われてしまいました。
「だったらダイも連れて行かなくても・・・」
孫に会いたい義母に、それが通用するはずもありません。
「母さんがかわいそうだ。ユミが我慢すればいい。」
ご主人にそうハッキリと言われたのです。
行くたびに義母に冷たく無視されるけれど、何度相談してもご主人の答えは同じ。
ユミさんが我慢すればいいというご主人の考えは変わりませんでした。
ユミさんは、夫にとって妻が我慢することはかわいそうじゃないのか・・・と寂しい気持ちになるのでした。
続きます
ママ広場オリジナルマンガ「嫁の私は透明人間」は毎日更新します。おたのしみに!
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※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
※登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
※この記事は過去に公開したものを再掲してしています。
脚本・編集:ママ広場編集部 作画:dechi