前回のお話




周りの助けを借りてなんとか見つけたたつきは、店内から抜け出して少し離れた団地の中の跡地にいた。そこはもう一つの公園へ行く為の抜け道で何度か通った事があった場所だった。無事に見つかったのは「ただ運が良かった」だけ・・・私は何もできず、母親なのになんて無力なんだろうと自身の非力を痛感した。そんな私を至近距離で見つめるたつき、これまで見たことのない私の表情と涙が気になったのだろう。たつきの事を・・・「自閉症」の事をもっと知りたい。このままだときっとたつきを守れない。

本当は発見した時、駆け寄って抱きしめたかった。でもきっと、普段から抱っこを好まないたつきが、嫌がってまた走り出すかもしれないと思ってやめた。私達は手を繋ぐ事もできない親子だけど、たつきが元気に走って行ける道を守りながら一緒に探して行こう。

【第13話】につづきます。

次回【13話】~【15話完】は明日2月25日(金)6:30に同時公開します。お楽しみに!!

NEGI
専業主婦をしながら、知的障害を伴う自閉症児・長男たつきの事を母親目線で漫画を描いています。
Instagram:(@negiii51
------------
[監修:ママ広場編集部]

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事