子どもに伝えたい、心を動かされた本『すき好きノート』で世界に1冊しかない本を作ってみませんか。

心を動かされた映画やドラマ、本はありますか?
今回は一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表 佐藤城人さんのおすすめ作品をお伺いしました。

谷川俊太郎の『すき好きノート』

「だいすきな人といっしょに、世界に1冊しかない本をつくろう」
この言葉、詩人谷川俊太郎氏の『すき好きノート』の帯にあります。

オンリーワンの本、興味ありませんか?
それも、子どもと一緒につくれるんです。

この本というかノートと呼ぶべきか。
大人は右のページから、子どもは左から始まります。ページを開くと、それぞれ25個の質問があります。例えば、
・好きな言葉(大人向け)
・すきなやさい(子ども向け)
この質問に対して、詩や文章、イラストや絵、写真を貼ってもok。もちろん、いたずら書きでもいいし、罫線からはみ出してもOK。
これらは、著者谷川氏からのお願いです。

いかがでしょう。取り組んでみませんか?
あなたとお子さんのオンリーワンの本(ノート)が完成です。
5年後10年後、さらに成人の日、もう一度開いてみるのもいいですよね。

いちばん好きが選べないのはなぜ?

「いちばん好きな〇〇はなぁに?」
と聞かれて、パッと直ぐに答えられるページもあるでしょう。
その一方、ウ~ンとなかなか出てこない質問もあることでしょう。
もし答えられない場合、それは「選べない」ということです。

ではなぜ、自分で選べないのでしょう?
1)相手の反応が気になるから
2)自分の中に判断する基準が無いから

2つ要因を挙げてみました。
もう少し掘り下げて考えてみます。

1)の「相手の反応が気になる」
これは「相手の顔色を伺う」と言い換えることができます。では、相手の顔色を伺うとき、頭の中では何を考えているのでしょう?
・間違ったことをしてはいけない
・相手を不愉快にさせてはいけない
・相手を喜ばせる必要がある
・相手に受け入れてもらう必要がある
幾つか挙げてみました。これらの考え方の結果、
自分の心地よさが後回しになります。
正しいことをしよう。間違ったことをしてはいけない、となるからです。

そして、相手に合わせることを優先し過ぎると、2)の「自分の中に判断する基準」を持つことが難しくなります。
相手の指示を待ち、合わせていれば良いからです。

「正しさ」と「心地よさ」

子どもさんの中に、
・とても聞き分けの良い子
・相手に合わせる優しい子
たくさんいます。ただ、その子たちの中には、「自分で選べない」子たちもいます。

この子たちと、私はこの「すきノート」に取り組んでいます。
その際、伝えていることは、
・自分から回りの様子を見てみよう
・自分から回りの音に耳を傾けてみよう
そして、
・何を見てもいいんだよ
・何を聞いてもいいんだよ
・自分で選んでいいんだよ
・誰もダメなんて言わないからね
さらに、
・感じたことはなんだろう?
・上手くやるのは後回し、それより「自分がこれ!」と感じたことをノートに表してみよう
・どんな方法でもOK。誰もダメなんて言わないからね

このように進めています。
もちろん進むペースも、いろいろあってOKです。
そして、一枚一枚取り組み、25個の質問が終わるころ、
自分で選べるお子さんに成長しています。

なぜかというと、「好き」という感覚は、「正しい」はなく、「心地よい」の感覚と同じだからです。

私たち大人が子どもと向き合うとき、特に躾を考えるとき、どうしても「正しいことをしなさい。間違ったことをしてはいけない」となります。躾の観点から捉えれば、大事なことです。ただ、それだけを強調してしまうと、
自分の心地よさが後回しになります。
この結果、「正しい」ことは選べても、「好きなこと・心地よいこと」は選べなくなってしまうのです。
・正しさとは頭の中で考えること
・心地よさとは心の中に起こること 
つまりこの2つは、思考と感情の違いなんです。

頭で考えることと、心で感じること

私は心理カウンセラーをしています。
日々、多くのクライエントさんと接していて、「自分の気持ちが分からない。気持ちにフタをしている人」が圧倒的に多いことを実感します。

頭で考えることは大事です。
その一方、心で感じることも大事です。
どちらも生きていく上でのクルマの両輪なんですね。

あなたは、自分のお子さんに、
・思考だけの頭でっかちの子
・気持ちの理解できない子
・気持ちにフタをする子
このように育てたいですか?

「すき好きノート」
おすすめの1冊です。
読むのではなく、ぜひ一緒に取り組んでください。
そして、オンリーワンのノートになりますように。

執筆者

佐藤城人(さとうしろと)
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範

経歴
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出合う。
各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
近年はヤングケアラーはインナーチャイルドの予備軍と位置づけ、お子さまや親御さまの支援にも力を入れている。
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。

一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/

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