【家庭学習】そうきたか。年中5歳児の「わからない、できない」を前に大人の「あたりまえ」が崩壊する。

5歳息子の家庭学習...ひらがな、すうじ、読み取りなどをみていると、大人の私は考えつかないようなところで混乱するのを目の当たりにすることがあります。
そのサインはとっても簡単。
ふざけ始めたり、怒りだしたり、もぅわかんない!と投げ出しそうになったりします。




家庭学習を始めたころは、遊びの延長で楽しくさせなくては!と肩肘を張ってしまっていた私は「これオモシロいよ、やってみようよ!」という声掛けだけは楽しそうでも内容はただワークに沿っているだけだったり、息子が何をわからないのか理解できなくて「うちの子の理解力、大丈夫?」と不安になったり、「そうじゃないよ、もう一回やってみよう!」と繰り返すことで息子のモチベーションを下げてしまっていました。

でも大人にとっての当たり前を理解するまでに息子はかなりのステップを要すること、そしてつまづきは成長過程であって、多くのお子さんも通る道なのだと理解してからは、想定外の「わからない、できない」がすごくオモシロく思えてきて、その原因を突き止めることが謎解きのようで楽しくなりました。

例えば...

すうじの書き順

まずお手本の薄い文字をなぞるのはクリア。はみ出さないように丁寧になぞります。
それから鉛筆を持った息子の手を私が握り、一緒に書きます。
『4』は上から斜め線をおろしてきて~、そのまま横に線。それから1の棒をかいたらホラできた!
さぁ今度は自分で書いてみようとなると。
下から右斜め上方向に線が上がって...あれ?となっています。
何回やっても同じ。
息子は考えた末、右斜め上に線を書いて、横に線を引っ張って、1の棒(3画)。「できた!ヨンがかけた!」
う~ん...まだ5歳。書き順が違うからと何度も書き直させて教えるべきか、できたと認めるべきか、悩む...。

4の形になったね!でもさ、(もう一度一緒に書きながら)こうやって上から書いた方が簡単だよ。
と言ってみたものの息子は「むずかしいもん、もう~。」と不満顔。
トラは下から書くけど、上から書いてみてごらん。
右上から左下の斜め線を何度も書かせても「わからない」と言ったところで私がやっと理解しました。
...あ、ちがっ...その上じゃなくて(笑)
息子は、斜め線を引く書き順よりも手前の段階で、『上から』という意味が分からなくて混乱していたのです。
上からと言っても紙面上では向こう側からであって実際に上ではないですもんね。

私はおもむろにオモチャの刀を取り出し、刀で切るように、宙に4の字を書きました。
「え?なぁに?タンジロー?」
急に目がキラキラになった息子も刀で4の字を...書き順通りにできるんかーい!

紙に書くときはどう教えようか悩んだ結果、最終的に4の『∠』の部分は横向きのオッチャンの鼻、と言うことになりました。




仲間でないのはどれ?

プリントの復習をする時は、まず花丸をもらっている問題で自信をつけて楽しくさせてから...のつもりなのですが、
たいていの場合、トンチンカン解答が飛び出します。

上から順にやってみよう!
「ブタ、ダチョウ、シカ、タヌキだよ。」
そう正解!このなかで仲間じゃないのはど~れだ?
「鳥だよ。えっとね、スズメ。」
...す、スズメ??
この問題、花丸をもらっているしダチョウに〇がちゃんとついているよね(問題には三角をつけましょうって書いてあるけど)...

こ・の・な・か・で、だよ?
プリントを折って他の絵は見えなくしたら、わかりやすいかな?
「スズメ。鳥だよ!みえなくなっちゃったよー!」と、困った顔になってきました。
...??

タヌキってさ、鳥?と、わざと聞いてみると、「違うよ、動物。」
お。わかってるね。じゃぁシカは?「動物。」ダチョウは?「鳥。...あれっ?鳥!これ!」

混乱は何だったんだろう。
私の見解ですが、おそらく先生と一緒にやったときに『鳥だから仲間じゃないね』というところと『正解は、スズメ』というところだけが頭に残っていて、
このプリントやったことある → 鳥は仲間じゃないよ → 正解は、スズメ。
という思考回路になったのではないかな。

...という話を同僚のママ仲間にはなしたところ、
小学生のママ同僚が「花丸は『よくできました』じゃなくて、『よくがんばりました』だよね~。」って...。
そうか、なるほど。

翌日。
この中で、仲間じゃないのはど~れだ?

「キャハ!アンキロサウルスだよ、植物食恐竜だから。」
今日は楽しそうです。
じゃあ、パンダ、イヌ、チョウチョ、トラ。仲間じゃないのは?「ウフフ。虫だよ、チョウチョ!」
絵やフィギュアがなくても答えられました。
そうです、子育て中の皆さんよくご存じの、これがよくある遊びだとできちゃうパターンのやつです。




絵を描こう

水族館でシャチを見て大興奮だった息子。
帰りの車で「帰ったらシャチの絵をかくんだぁ」と張り切っていました。
さて、帰って早速、画用紙と色鉛筆を準備したもののなかなか手が動きません。
「ママかたち書いて~。シャチのかたち。トラは色を塗るよ。」

息子は時々絵を描いて遊びますが、まだ描く絵は決まっていて、家族の顔、土俵、アイスキャンディ。
見たものを思い出して絵に描くのはまだハードルが高いのかもしれません。
空想して形にすることはさらに難易度が高そうです。

そこで、シャチのおもちゃを目の前に置いてみました。
これなら見て描けるんじゃない?

ところが、息子はまだ困ったように「難しいよ~。」
これと同じように描かなくたっていいんだよ、トラが想像して、好きなように描いたらいいんだよ。
「ママ、一緒に描いてよぅ。」
そんなやりとりがしばらく続いて気づきました。
息子に『想像して描く』『好きなように』というのが逆にハードルが高いのかもしれません。

色鉛筆を持つ息子の手を握り、「ほら、こんな形じゃない?」と一緒に描いてみたら大喜びでカラフルな色を塗り始めました。
ほう。色に関しては『想像して』『好きなように』塗れるようです。
見たものの形を捉えて絵に描くというのは難しいのだろうな、きっと繰り返して描いていくうちにできていくのかなぁ

そんな風に思って数週間たったある日。

「ボクね、"ジェンイツ"を描くよ!」
と、皆さんご存知、雷の呼吸のあのキャラクターを描くと言い出しました。
シャチよりずいぶん難易度が上がりますけど...母は手伝える気がしないぞ息子よ。
しかたなくスマホで画像を探し始めた私をよそに、息子は楽しそうに一人で書き始めました。

「できた!ママ見て!ジェンイツだよ!」
あ。ホントだゼンイツだ!
誰もが言い当てられるような絵ではありませんでしたが、
頭がオレンジ、羽織(と思われる部分)にはひし形の模様が。
そして刀や周辺は黄色でギザギザと雷が描かれています。
さらには黒で小さく塗りつぶしたものの上に紫がグシャっと塗られているのは...?
「毒グモだよ。」
おぉ。

見たものを思い出して細かいところまで正確に描けてるじゃないのー!!

心のメモ

子どもが何かをする時、大人の当たり前はいったん忘れましょう。
『家庭学習』など必要ないのかもしれない。好きなものが絡んだ時の子どもの能力は爆発的に伸びる!

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