前回の話
母方の家に代々引き継がれている市松人形の「いちまさん」。マキさんにとっては、子どもの頃からちょっぴり怖い存在でした。第二子ソウスケくんのお披露目会に来ていた山本さんは価値のありそうないちまさんに目を付けて、売ってしまおうと盗んで帰りましたが、その日から毎晩いちまさんの怖い夢を見るようになったことに怯え、菓子折りを持って謝罪と返却にきました。無事いちまさんも返ってきてこの件は一件落着。家に帰って来たいちまさんを見て娘のユカちゃんは大喜びでした。ユカちゃんは「(山本)キラくん家にいたんでしょ」とユカちゃんが知るはずもないことを言ってきてマキさんは驚きます。理由を聞くと盗んだことを知らない山本さんの息子キラくんもいちまさんが「帰りたい」と言う怖い夢をみたそう。その件もあって山本さんは急いで謝罪をしに来たのだとマキさんは納得しました。
うちの市松人形が見てる[11-2完]思い出のお菓子
「そういえばお菓子受け取っちゃったんだった。」
山本さんから受け取ったお菓子を開けると、栗蒸し羊羹でした。それを見て「あ、このお菓子」と思い出しました。
近所の和菓子屋で売っているその栗蒸し羊羹は、今は亡き祖母の好物でした。
祖母は買ってくるたびいちまさんへお供えしてたっけ。
祖母のことを思い出して、ふと気付きました。
まさかいちまさんがこの羊羹を欲しくなって、山本さんに買わせたりして。
いちまさんならありえるかも?
いや、まさかね。
いちまさんもきっとお婆ちゃんのお気に入りの栗蒸し羊羹がお気に入りだったんですね。
ちょっぴりホラーで心温まるお話でした。
完
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※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:左近寺しゅうり
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