[前編]5カ月~8カ月頃|子どもの水分ってどのくらい飲ませればいい?医療法人社団正恵会DIOクリニック理事長、藤井先生に伺いました!

そろそろ離乳食の時期だけど、水分ってどのくらい取ってもらえばいいんだろう?どういった方法が飲ませやすい?
さらには脱水症状の見分け方のポイントも知りたい!
そんな盛りだくさんの悩みについて、医学博士、循環器内科専門医である医療法人社団正恵会 DIOクリニック理事長、藤井 崇博先生にお伺いしました。
今回は前編です。
子どもへの水分の取らせ方に関して、コップで水分がとれるようになる前と後、2回に分けて説明させて頂きます。
今回はコップで水分がとれるようになる前の話になります。



生後5ヶ月~コップで水分が取れるようになるまで

赤ちゃんが母乳やミルクを飲んでいる時期は、基本的に水分は足りていると考えます。
離乳食が始まる生後5~6カ月頃以降になると少しずつ母乳やミルクの量が減ってくるため、別に水分を摂取する必要があります。離乳食とあわせて水分補給を始めるようにしましょう。

赤ちゃんに与える水分量

生後1歳未満の乳児が必要とする水分は、1日のトータルで体重1kgあたり約100~120mLといわれています。
例えば体重が5kgなら、5×100~120=500~600mLが1日に必要な水分量となります。
この水分量は、母乳やミルク、食事から得られる水分などをすべて含めた量なので、母乳やミルクを減らした分を補っていきましょう。
ただし、高温多湿で汗をかきやすい時期、胃腸炎等にかかった場合などの脱水症状が出やすい状況では、十分な水分に加え電解質の補給も必要になります。
 

赤ちゃんの水分補給のタイミング

赤ちゃんの水分補給のタイミングは基本的に大人と同じと考えて頂いて結構です。
大人でも外出した時に長時間水分を補給していないと喉が渇くように、赤ちゃんも同じように喉が渇きます。
屋外の日なたはもちろんですが、屋外の日陰や屋内で過ごしていても、気温が高いとき、湿度が高い時は脱水症状に気を付けて、こまめな水分補給が必要となります。
お風呂上りも体の水分が失われていますので、水分補給をしてあげましょう。
 

赤ちゃんの水分補給の方法

赤ちゃんの水分補給の方法に関して、器具や手順について解説します。
 

水分補給のときの使用器具

スプーン
赤ちゃん用のスプーンがおすすめです。小さな口にも入りやすく、安全性にも気を付けてつくられています。
 
哺乳瓶
哺乳瓶に慣れている赤ちゃんなら、飲んでくれやすいと考えます。
 
スパウトマグ
スパウトマグは生後5カ月ごろから使用出来ます。ただ、哺乳瓶のように勢いよく吸うと飲み物が大量に出てくることがあるので、慣れるまでは注意が必要です。
 
ストローマグ
ストローは、生後8カ月くらいになるとすんなり使える赤ちゃんが多いです。赤ちゃん用の柔らかいストローでないと喉に刺さってしまう危険があるので、月齢に合わせたストローマグを使用してください。
 

赤ちゃんの水分補給の手順

最初は補給する水分の量も少ないので、スプーンで少しずつあげてみましょう。
5カ月以降ならスパウトマグ、8カ月以降ならストローマグを使用できるようになります。
いずれの場合も、月齢に合った器具や、赤ちゃんの好みによっても異なるので、赤ちゃんが喜んで飲んでくれる方法を探してください。
 
赤ちゃんが水分補給を嫌がったときの対処法
もしお子さんが水分補給を嫌がっていても、赤ちゃんは何が嫌なのかを私達に伝えることが難しいです。
水分を摂取する器具が気に入らない場合もありますし、飲み物の味自体が好きではないのかもしれません。
器具を変えてみたり、水から麦茶など味を変えたりするのもよいでしょう。
特に麦茶は体温を下げる効果が期待できるので、これからの季節に適しています。
カフェインが入っている緑茶やウーロン茶は利尿作用が強く、かえって体の水分を排出してしまいます。
お楽しみとして飲むのは構いませんが、利尿作用の観点から水分補給に適しているとはいえません。
糖分の多いジュースなどは子どもが喜んで飲んでくれることが多いのですが、たくさんあげてしまうのは控えましょう。

後編はコップで水分がとれるようになって以降の月齢~中学生頃までについてです。明日公開します。

執筆者

藤井 崇博先生
医療法人社団正恵会 ディオクリニック統括院長

経歴
専門領域は循環器内科で心臓領域を専門としており、研修医から2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事させて頂き、循環器内科専門医、循環器内科領域での医学博士号を取得しております。
現在も循環器疾患を含め外来での診療は継続させて頂いております。
循環器内科医として様々な患者さんの診察に日々従事する中で、何よりも大事なのは未病、医学的には一次予防と呼ばれる未然に病気になるのを予防しようとする意識が大事だと常々思います。
最近では対面でお話出来ないことも多いので、SNSやその他コラムなどで健康に有益な情報の発信に力を入れております。

藤井先生@ダイエット豆知識チャンネル

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