熱い飲み物を嫌がったり、冷まさないとやけどしたり・・・子どもの猫舌って、原因はあるの?なおせる?
そんな疑問に、与野MFデンタルクリニック院長 須長敬先生にお答えいただきました。
猫舌の原因って?
猫舌は、食べ方の問題であり、その人の人体的な問題ではないといわれています。そのため、舌の構造自体に違いはありません。また、舌の先端は口腔内で一番敏感な部分です。温度に関しても同様で、誰でも、舌の先にいきなり熱いものが触れると、熱いと感じます。
では、猫舌の人とそうでない人の違いについて述べていきます。猫舌ではない人は、無意識のうちに食べ物が舌の先に触れないように食べていると考えられます。一般的に、熱いものを口に入れる時は、無意識に上の歯と、下の歯で挟み、舌に落とさないように、舌を引っ込めたり、息を吹きかけたりして、舌を守っています。
猫舌の人は、この行程をスムーズにすることができず、直接、舌の先に熱いものを触れさせてしまっていると考えられます。飲み物に関しても同様で、一般的に、熱いお茶やコーヒーを飲む時、舌の先が下の前歯の歯肉を押している状態にして、液体から舌の先を守るようにし、液体を舌の中央へ流し込むようにしています。さらに、液体を舌の裏にも流し、唾液と混ぜることで、冷めるようにしているのです。一度、意識して熱い飲み物を飲むと分かると思います。
猫舌にならないためには、熱い食べ物・飲み物を口に含む場合、舌の先をダイレクトにあてない、ということが大事だと思います。
子どもの猫舌は、日頃の習慣からきていた?
では、子供に猫舌が多いのはどうしてなのでしょうか。
実は、猫舌の人の子どもは猫舌であることが多いようです。しかし、これは遺伝というよりも、そもそも猫舌の親は熱々な食事を出さないので、子どもたちが熱いものの食べ方を分からずに育ってしまうケースのようです。
親が猫舌だと子どもも熱いものを食べたり飲んだりする機会が少なくなり、トレーニングを積めないことから猫舌になってしまうと考えられます。つまり遺伝というよりも育ち、といった理由で猫舌になるようです。
では、克服する方法についてですが、熱いものを飲んだり食べたりするときは、意識的に舌を奥に引っ込めて、下の歯にいったん収めるようにします。そうすることで、今まで熱々の料理を上手に食べられなかった人も、徐々に猫舌を気にすることなく熱いものを食べたり飲んだりできるようになります。
また、食べ物や飲み物をできるだけ奥に入れる必要があるので、箸よりはスプーンやフォークを使った方が奥に食べ物を運びやすいと思います。
舌の位置などを意識して、徐々に熱いものに慣れていくことで猫舌は改善していくものと思われます。猫舌が気になる方は、試してみてください。
執筆者
須長 敬
与野MFデンタルクリニック 院長
経歴
日本大学松戸歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部付属病院臨床研修歯科医修了。
日本大学松戸歯学部付属病院口腔インプラント科常勤医員を勤めた後、
東京都、埼玉、茨城等各所歯科医院に勤務。2022年1月、与野MFデンタルクリニックを開院。
日本口腔インプラント学会認定専門医、日本顎咬合学会咬み合わせ認定医。
与野MFデンタルクリニック ホームページ
https://www.yono-mfdental.com/