前回の話
突然鳴った電話の相手は、まだ会ったこともない姪のユメちゃんでした。「再来週おばあちゃんの家に来てほしい」と言って切れてしまった電話・・。約束通り実家を訪れたユイナさんは、そこで初めてサナさんの子ども達、ユメちゃんとソウマくんに会ったのでした。電話をしてくれたにもかかわらず、「はじめまして」と挨拶するユメちゃんに、「さて、どうしたものか・・」と思うユイナさんは・・
姉と比べられて育った私[8]完璧なママの子なんだから大丈夫
「さて・・どうしたものか・・」と呟くユイナさん、
ユメちゃんから電話をもらい、久しぶりに実家にやって来たものの、「はじめまして」と挨拶するあたり・・
電話したことをあまり知られたくなさそうだったもんな~
と思案していると、
コンコン、とドアをノックする音がして
「ユイナさん?」と声が・・
「わ、ハイ!!」と驚くユイナさんがドアを開けると
「・・ユメちゃん?」
そこにはユメちゃんが立っていて、
「おばあちゃんが、ご飯できたから呼んできてって言ってました」と・・
「あぁ・・ありがと・・」と言った後で、
「あの・・こないだの電話は?なにかあったんじゃないの?」と聞くと
「・・・」
「みんなとご飯食べたらわかります・・先行きますね」と言って階段を降りて行ってしまい・・
「え・・どういうこと・・?」
と疑問がいっぱいのユイナさんも食事をしに下へ降りて行きました。
ユイナさんがそこで見た光景とは・・
「ぼくね、この間テストで満点だったんだー!」へっへーんと自慢げに話すソウマくんに
「あらぁ~すごいのね!ソウマちゃんのママもずーっと百点だったのよ!」とうれしそうに話すお母さん、
「あと運動会のリレーも!クラスで2人しか選ばれないんだよ!」とソウマくんが続けると、
「あらぁすごぉい!運動もできるのねぇ!ママとそっくり!一緒だわあ~」とご機嫌なお母さん、そして・・
お母さんはユメちゃんの方を向いて
「ユメちゃんは?ユメちゃんはどうなの?」と問い詰めるように聞くと、
うつむいて下を向くユメちゃんの姿が・・
「・・・うん、ユメも・・がんばってるよ・・」とユメちゃんが答えると、
「えー!?」とソウマくんが横から口を挟んで
「ユメ、こないだパパに怒られてたじゃん!どうしてこんなこともできないんだ?ってぇ~」とバカにしたようにクスクス笑いながら言い、さらに
「ぼくは、いーっつも褒められるんだ!お前はパパの自慢の息子だよって」と言い、
それを聞いたお母さんが
「あらあら。大丈夫よ~ユメちゃん!今はダメでもユメちゃんのママみたいになれるわ!お勉強も運動も完璧なママの子なんだから!」と・・
この様子を見たユイナさんは
「あぁ・・ユメちゃんはこれを知ってほしかったのか・・」と全てを悟ったような気分に。
そう、そこにいたユメちゃんは・・紛れもなく昔の私だ、と思ったのでした・・。
続きます
ママ広場オリジナルマンガ「比べられた姉妹」は毎日更新します。おたのしみに!
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※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
※登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
[脚本]ママ広場編集部 [作画]コハダさんさん
コハダさんさん
アニメ好きのじぃじ、お茶目なばぁば、ダウン症の優しい弟に囲まれた日常を描いてます。