先日、小5娘が学校からもらってきたお便り。
市内の中学校が来年度の新入生から新制服を導入するため、制服のデザイン選挙をするという内容でした。
そういえば4月頃に、制服の見直しを進めているというお便りをもらっていました。
そこに書いてあった制服見直しの3つの理由は
・暑さ・寒さ(温度調整のしやすさ)に対応
・機能性(着心地や衛生面など)の課題に対応
・多様性(LGBTQなど)への対応
その時は「ふーん。制服変わるんだ~」としか思っていなかった私。
2年後に中学校へ入学する娘本人も、あまり自分に関わることとして認識していない様子でした。
今回、制服のデザイン選挙の投票にあたり娘から質問が。
「なんで制服変わるの?」
え、学校で聞いてないの??と思った私。
どうして制服が変わるのか先生からお話なかった?と娘に聞いても「何にも聞いてないよ~。この紙(投票用紙)が配られただけ」とのこと。
もしかしたら娘がぼーっとしていて先生の話を聞いていなかっただけかもしれませんが(あり得る・・・)、何回聞いても「何も聞いてない」とのこと。
え~。そうなの??『制服が変わる』ということよりも、『“どうして”制服が変わるのか』を知ることが大事なんじゃ・・・。
これは・・・私が伝えるしかない??
とはいえ、正直私もうまく説明できる自信がありません。
温度調節や機能性については子どもに伝えられても、『多様性』の説明ってどうすれば・・・??
そもそも、恥ずかしながら私自身がLGBTQやジェンダーレスなど多様性について「言葉」としては知っていても、それがどういったものでどんな問題があるのかを何となくしか知りません。
娘にはその場でこんな風に答えました。
「今は男の子は学ラン、女の子はセーラー服って決まってるんだけど、それが嫌だなって思う子もいるんだよ。女の子がズボン穿いてもいいし、男の子がスカート穿いても良くて、その子が着たいと思う制服を選べるようになるんだよ」
「体は女の子でも心は男の子っていう子もいるし、その逆もいる。それから、体も心も女の子だけど、好きになる子も女の子っていう子もいるんだよ。普通は女の子は男の子を好きになって、男の子は女の子を好きになる・・・うーん、今ママ『普通は』って言ったけど、ちょっと違うな。そういう人が多いってことね。色んな人がいて、人と違うのは悪いことじゃないんだよ」
必死に説明したけど、合ってるかな・・・。こんな伝え方で大丈夫かな・・・。
娘の反応は、
「ふーん。じゃあ私、ズボンにしよっかな~」と。
へ~意外。ズボンがいいんだ~(今はズボンよりスカートが好きなのに)。いいんじゃない?冬暖かいしね。と思っていると・・・
「あ、でもスカートも穿きたいから両方買ってほしいな~!」
えぇー??両方!?そっか・・・そういう選択もできるよね・・・。
娘には「そっか~。でもね、制服って高いんだよ・・・(泣)」と伝え、まぁ制服を選ぶのはまだもう少し先だからゆっくりじっくり考えてほしいなと思います。
こんな感じでその日の会話は終わりましたが、その後も『多様性』についてしっかり説明できなかったことが気になっていてネットで調べたりしていました。
多様性について説明しているサイトはたくさんありましたが、子ども達には『言葉』で伝えてもすんなり伝わらなさそう。
ということで、今回もやっぱり『絵本』に頼りました!!(私、自分ではうまく子ども達に伝えられないときは、いつも絵本の力を借りています)
子ども達と一緒に読んだのはこの本。
現代のかぞくにはいろいろな形があります。家も、人数も、仕事も、服も、食事も、性別も、趣味も気分も人それぞれ。何人でも、どんな暮らし方をしていてもかぞくはかぞく。本書は、多様化するかぞくの形をユーモアたっぷりのイラストで楽しく紹介します。文がなめらかで聞き取りやすくなっていますので、読み聞かせにも最適です。
そういえば、小1の息子にも多様性について話す良いきっかけがありました。
小学校の体操服も今まではハーフパンツが男女別のカラーでしたが、中学校の制服と同様にLGBTQなどへの対応として今年から男女統一のカラーになったのです。
寝る前のベッドで子ども達とこの絵本を読みました。
文章は少なめで、絵がたくさん。
『読み聞かせる』というよりは、文章を読んで絵を見ながら「この家族はこんな家族なのかな?」「お母さんがいないけど、この子は楽しそうだね」「お父さん2人だとケンカになったりしないかなぁ」などと子ども達は想像したことを話してくれました。
この本はLGBTQなどの性についてというよりは、『世の中には色んな人がいて、色んな考え方があって、何かひとつだけが正解なんじゃない』ということを教えてくれる本だと思いました。
本を読んだ数日後。
少し前にあった運動会のビデオを子ども達と見ていたときのこと。
私がふと「今は徒競走とか男女分かれてやってるけど、そのうちそういうのも男女一緒にやるようになるかもしれないね~」と口にしました。
娘は「あ~。そっかぁ」と私が言ったことの意味をなんとなく理解しているようでした。
そこから話が少し広がり、経緯は忘れてしまいましたが「着替え」の話になりました。
「もし体が男の子で心が女の子だったら、その子は男の子の更衣室で着替えるのイヤかもしれないよね」
「そうだよね。恥ずかしいかもしれないよね。でも、その子が女の子の更衣室で一緒に着替えることになったらどう思う?」
「・・・。それはちょっとイヤかも・・・」
「こういうの難しいよね。どうしたらみんなが良くなるんだろうね」
こんな会話を娘としました。
今回は制服をきっかけに子ども達(特に娘)とこういう話ができてよかったなと思っています。
これからも色んな機会に子ども達と『多様性』について一緒に考えていけたらいいなと思います。
ちなみに。
中学校の制服ですが、娘のお友達の女の子も「ズボンもスカートもどっちも穿きたい」と言っている子が多いそうです。
2年後が楽しみです。
みはるママ
小5娘と小1息子の2児のアラフォーママ。