前回の話
児童相談所との面談から2週間待って、一時保護所へ入所した樹里ちゃん。入所期間中は学校へ行けず、小学1年生から高校3年生まで約20人くらいが大部屋で過ごすものの余計な会話はタブー、いつも職員に監視されている状態でした。発達障害の海ちゃんと離れて暮らしたくて入所したのに、保護所には発達障害の子がたくさんいて暴れている状態でした。
姉育てに疲れて一時保護所に入った話【9】
保護所での生活は完全に自由というわけではありませんでした。
全ての窓は格子窓で外から鍵がかかっているので内側から開けることはできません。
外に出るのは昼だけ、保護所のグラウンドだけと決められていました。
入浴も決められた時間にひとりずつ、監視員さんの目がある中で入らなければなりませんでした。
思春期の樹里ちゃんにとって、人に見られながらお風呂に入るのは恥ずかしかったし、ムダ毛の処理のためのカミソリでも所持ができないのでとても気になりました。
寝るときは、3人グループで過ごすルールですが、会話は禁止。
それでも子ども達はお互いの事を話すときもありました。
「ねぇみんなは何で保護所に入ったの?」
「私は母親の虐待」
「私も、あと性被害」
そう話す同室の子の話に驚いた樹里ちゃんは
ほとんどの子が虐待や性被害。
その話を聞き、自分の家庭はまだマシな方なのだと気づいたのでした。
家庭崩壊しているのは自分ひとりだけじゃないのだと思うと、
嬉しい気持ちにもなった樹里ちゃんです。
そんな会話をしていると、決まって監視員さんに怒られるのでした。
「余計な話してんじゃないよ!」
続きます。
次の話
ゆーとぴあ
事実を元にした子育て漫画を描いてます。
長男、仙尾部奇形腫という珍しい病気。
次男、発達障害で特別支援学級に在籍しております。
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常に監視員の方が見ている理由、入所者同士で会話をしないルールの意味などが「守られている」のだと理解しました。
[ママ広場編集部]