前回のお話
ある日のこと、自分で破ってしまったにも関わらず、お気に入りの絵本がないと泣きわめくゆみかちゃんに、やっと届いた絵本「うさぎのおやこ」を手渡したところ、突然絵本で頭を叩かれてしまい絶句するあやこさんは、『選ばれた』とは、一人で耐えろ、という意味なんだろうかと思って・・
障害児のママは神様に選ばれたと言われて[27]
ある日のこと、
「では、通所受給者証の手続きは以上になります」
「はい。よろしくお願いします」
「おや?」
こども福祉課であやこさんが手続きをしていると、突然声がして
「やっぱり!瀬戸さんとゆみかちゃんだ!こんにちは~」
と向こうから駆け出してくる人の姿が・・
「瀬戸さんも福祉課?私もー。私、常連だから何でも聞いて」
「いえ、職員に聞いてください」
ポンポンとテンポ良く話す女性は確か・・
(な、ナナちゃんのママ?)
あやこさんが自信なさげに見つめると、
「あ、私朝日です!」
「・・はるさん、チャックあいてる」
「・・えっ!?(汗)」
と元気に挨拶するはるさんに、そっと耳打ちする職員さん
ガーン・・・。
(大丈夫なの、この人・・)
落ち込むはるさんを見て訝し気なあやこさん、すると、
「あ、ゆみかちゃん、こんにちはー!今日もかわいいね(ハート)」
プイッ
ゆみかちゃんがそっぽを向いて答えないのにも構わず、
「お洋服、ママが選んでくれたの?すっごく似合ってる!」
そんなはるさんの様子を見て、
(イライラする)
と感じるあやこさんなのでした・・。
続きます
植木千尋
ブロブフィッシュ似の主婦です
知的障害を伴う自閉症児を子育て&溺愛中