双子自閉症児「ひか・まめ」の母Ribbonです。
私は児童発達支援と放課後等デイサービスを行っている多機能型療育施設で働いている保育士です。
日々、障がいをお持ちのお子さんと触れ合い、保護者の方とお話をしていく中で、そして自分自身の子ども(ひか・まめ)を育てていく上で、たくさんの療育施設の中からどこが我が子に合ったところなのか、そして見学に行くときに、どんな点を見聞きしたら良いのかについて、保育士として、母親として、2つの観点から書かせていただきたいと思います。
療育とは?
療育(発達支援)とは、障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。
文責:LITALICO研究所 所長 博士(障害科学) 野口晃菜
施設によってカラーがある
現在の職場と以前勤めていたところ2か所の療育施設で働いてみて、施設によってカラーがあるとわかりました。
- 季節によって桜や紅葉を見に出かける
- 消防署見学
- 公園に遊びに行く
お出かけを通して、風を感じたり、目で楽しんだりします。
室内の装飾も季節に合わせた壁面作りに力を入れ、室内環境を明るくて、雰囲気を感じることができる部屋にしていました。
- スケジュールを個々に作って見通しが持てるようにする
- >壁面のホワイトボードに、今日のメイン活動が書いてある
- いつ始まるのか、またいつ終わるのかが明確に提示されている
課題ばかりではなく、外出もし、その際の車の座席表を使って、どの席に座るのか見てわかるようにしています。また高学年や中高生になると、自分でお昼ごはん(土曜祝日、長期休暇時)を買うためにコンビニやスーパーで買い物体験をしたり、おやつ作りもして、色々な経験を積んでいく所もあります。
ママ友に話を聞いてみて
自閉症のお子さんのママと、ダウン症のお子さんのママそれぞれの方に、療育施設を見学に行くときにどんなところを見ていらっしゃるかお話を聞くことができました。
職員さんとお子さんとの関係性
自閉症のお子さんのママは、自分の子ども(高学年)にどんな風に職員さんが対応してくれているのかを重視されているそうです。
小さい子どもに話しかけるような言葉遣いだったり、手をつないで行動を促したりするのではなく、1人の高学年の人として関わってほしいというご希望があるそうで、職員さんのお子さんへの関わり方を見ているとお話を聞きました。
利用されている児童さんは?
ダウン症のママは、周りのお子さんたちがどんなタイプのお子さんがいるのかに注目されているそうです。
「おしゃべりが上手な子」、「お絵かきが好きな子」、「本を読むことが好きな子」、「たくさん動きたい子」
自分のお子さんが通われるときに、お友達はできそうか、雰囲気は合っているのか、お子さんと同じような遊びが好きな子がいるかどうかも重視されるそうです。
母親として
室内環境は?
私がひか・まめの母として、施設を見学させてもらう時には、まずは室内の環境を見せてもらいます。
- 窓から外が見られるか(車を見ることが好きですし、気分を変えたい時に、外を見て落ちつくことがあるので)
- 自分の持ち物の置き場はわかりやすいか
- トイレは職員さんの目が届く場所にあるのか(お寿司屋さんだったところを施設として使っていらっしゃる所があり、かなり奥にトイレがあった)
- 食事(おやつ)はどんなテーブルや椅子で食べるのか
- 子どもが興味の湧きそうなおもちゃはあるか
- 混乱した時に落ち着けるスペースはあるか
子どもが実際利用した時に、到着してからの流れを想像してうちの子に合う環境かをざっと見渡します。
家からの距離
何かあったときに、すぐに家から、職場からかけつけられる場所であることも、とても大切な点かなと思います。
また、施設によっては、帰宅時間が18:00出発のところもあり、うちの子は寝る時間が早いため、その時間より早く迎えに行きたいので、家から近い方がありがたいです。
まとめ
見学の時に、細かい療育方針や、施設の環境などを見ることももちろん大切ですが、最も大事なことは、お子さんと一緒に出かけ、お子さんの表情や、行動を見て「ここなら楽しめそうかな」という感覚もとても重要なことかなと思います。
お子さんが安心して過ごせる、心地の良い場所が見つかると良いですね。