「とびひ」をご存知ですか?
皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)というそうです。
息子が3歳の夏、初めてとびひになってしまいました。
詳しい伝染性膿痂疹の説明は、こちらのサイトをご覧ください↓
とびひ by 日本皮膚科学会
小さな擦り傷から始まりました。
息子は外で走り回るのが大好き。
多少の擦り剥け、擦り傷、あざなどは当然できるものですし、男の子だから、とあまり気にしません。
3歳の夏のある日も、腕に小さな傷を作ってきましたが
「公園で転んじゃったんだぁ、でも泣かなかったよ!」
と自慢げに言っている息子を褒めたくらいで、傷についてはそのうち治るものと全く気にしていませんでした。
余談ですが、保育園ではほんの小さな傷でもいつも直ぐに洗って消毒をしてくれるという、母でもするかどうか自信がないほどの手厚く温かい保育に本当に感謝しています。
なんだこりゃ?赤いプツプツが。
さて、放っておいた傷。
数日経っても乾いてこないので、おかしいなと思い始めました。
傷は早く乾燥させた方が良いと思っていたので、絆創膏すら貼っていなかったのです。
今考えると、蒸し暑い夏でしたし、ばい菌が入る可能性が高いから貼るべきだったと反省しています。
ある日、傷のすぐとなりに赤いプツッとしたできものができていることに気づきました。
汗をかいたり、触ったり掻いてしまったりして細菌が入ってしまったようです。
プツプツは、一つできたらあっという間に広がりました。
膿を含む水泡ができて、それがつぶれて皮膚に触れるとそこからまた水泡ができ、どんどん広がっていくのだそうです。
嫌な予感。皮膚科に行きました。
「とびひですね。」
「トラ君はごくごく軽~いアトピーがあるので、免疫力が弱くて出ちゃったかな。まぁ免疫がつく就学時頃には出なくなるよ。」とのことでした。
治療はどういう方法がありますか?
「プツプツを一つずつつぶす処置をするので、次回は来院する1時間以上前に麻酔シートを貼って来てください。」
内服薬、塗り薬とガーゼ、ガーゼをおさえるネットを処方してもらいました。
それと、麻酔シートを数枚。
いつもなら医師の指示通りにする私ですが、「つぶす処置」が気になって、帰宅してすぐにとびひの治療を検索しました。すると、皮膚科で治療する(つぶす)派と自然治癒派に分かれることを知りました。
因みにとびひは患部を覆って触れないようにすれば、保育園に行っても大丈夫とのことです。
お風呂も一緒に入ってOK。
ただし、使うタオルは家族別々にしました。
皮膚科を再受診する?しない?悩み始めた私
人によって期間は様々なものの数ケ月~半年で治る、と書いてあるサイトがありました。とびひは広がるけれど病気の心配はない、つぶしてもつぶしても広がるので意味がないという意見です。一方で早期に治療した方が良いとあるサイトもありました。また、体験談として、つぶす治療をしたけれどあまりの痛みに子どもがぎゃん泣きして辛かったというのを読みました。
内服薬も塗り薬ももらったし、つぶしてもどんどん出てくるのならつぶす処置はせずに様子をみよう。
初めはそう決めました。
1週間ほど経つと本当にどんどん広がって、右腕全体、時々脚やお腹にも2つ3つ文字通りとびひすることもありました。
当時3歳の息子はというと、「トラはプツプツできちゃったの。」と不思議そうに眺めるだけで、特に痛そうな様子も痒そうなしぐさもありませんでした。
でもやっぱり皮膚科で治療しよう。
一度やってみて、痛みに耐えられなさそうならまた自然治癒にしよう。
私はそれほど優柔不断なほうではないと思うのですが、このときはなぜこんなに悩んだんだろうと今では思います。きっと「麻酔シートするほどのものすごい痛み」というイメージと「つぶす」というワードが怖かったのだと思います。
早く先生に相談すればよかった
結論はこれ。
麻酔シート2枚分を貼り、皮膚科に行きました。
シートは水疱が隠れるくらいの大きさにはさみで切って、ペタペタ貼ります。
つぶすというよりは膿を含む水泡をチョキチョキ摘み取る感じ。
当然血がでて、息子は泣き出しました。
でも想像していたほどではなく、直ぐに泣き止んで先生や看護師さんにニコニコ手を振るくらい。
ただ血が出たからビックリして泣いたようでした。
先生から、「麻酔シートを1時間以上前にちゃんと貼っていれば、そこまで痛いことはないと思うよ。特に大きめの水疱にはちゃんと貼ってね、時間が早かったりちゃんと貼れていないと痛いかもしれないよ。」とアドバイスをいただきました。
そしてまた麻酔シートをもらい、1~2週間後に治療。
全部で4回通いました。
1回で全ての水疱を取り去ることはできませんし、治療をしてもまた別の場所で水疱ができるのを繰り返すのです。
治療をしてもらった部分は、血が止まるとカサカサになって消えていきました。
2回目の受診時には、息子は全く泣かなかったし「せんせいにプツプツとってもらうんだもんねぇ。痛くないよ。」と言っていました。もう内服薬はなしです。
先生に自然治癒について聞いてみると、
「自然治癒ってなにをもって、なんだよねぇ。直ぐに治る子もいれば、免疫がついた1年生頃に治ってもそりゃ自然治癒かもしれないけれど、3年後だよ?」
...確かに。
なぜこの水疱は取っても取ってもまた出てくるのですか?
「とびひでからだに広がってしまった細菌を、少しずつ取り除くことによって全体数が減っていく。また潜伏している目に見えないものもあるから新しい水泡が出てきてしまう。でも全体数が減っていっているから少しずつ治っていくんだよ。」
もう。息子に申し訳なかったです。1週間悩んだせいで、細菌を広げさせてしまった。
お子さんが擦り傷切り傷、汗疹などができたとき、いつまでも治らなかったり少しでもプツッとできたときにはできるだけ早く皮膚科を受診されることをおススメします!!
以前と同じように検索してみても...
自然治癒でも大丈夫、というサイトが見つかりません。
早めに受診を、というのが正しいということなのでしょうね。
4月から年中さんになった4歳息子。
相変わらず外遊びが大好きで、相変わらずあちこちに切り傷擦り傷を作ってきます。
まだ少し皮膚が弱いので真冬の乾燥時と夏の蒸れる時期には時々皮膚トラブルもあります。
神経質になる必要はないと思いますが、よく観察して異常があったら皮膚科に行くことにしています。