前回のお話
「神様に選ばれたって言われることをどうして受け入れられないんだろう」と言うあやこさんに、はるさんは目の前のゆみかちゃんとあやこさんを見て感じたことを一つずつ言葉にします。そして「私に見えているのは、ゆみかちゃんはママに愛されている。これが事実」ときっぱり言いました。その言葉にあやこさんは大粒の涙を流して・・・。
障害児のママは神様に選ばれたと言われて[34]
「私・・・そんなふうに言われた事なかったから、親としての自信なくしてて・・・。
神様の話が本当か嘘かなんてどうだって良かったんです」
そう言いながら、あやこさんは自分の中のモヤモヤの正体に気付きます。
(そうか・・・今やっとわかった。私の中の答えは・・・)
「選ばれたからってわけじゃないのに・・・ゆみかに障害があっても必死で育ててるのは私にとって大切な娘だからだよ!!
大変だしボロボロになるし報われないし。確かにゆみかは障害児だよ?障害児だけど」
「私だってゆみかが可愛いの!誰にも否定して欲しくないの!!」
涙を流しながら想いを吐露するあやこさん。
「だから、障害児のママは選ばれたとか偉いなんて言葉で・・・」
「ゆみかの存在をなぐさめないで」
そう言ってあやこさんはゆみかちゃんを抱きしめます。
あやこさんはようやく自分の中の答えに気付いたのです。
続きます
植木千尋
ブロブフィッシュ似の主婦です
知的障害を伴う自閉症児を子育て&溺愛中