緊張してしまう子、上がり症の子どもにかけたい言葉や対応について新見正則医院院長、新見先生に教えていただきました

緊張したり、上がってしまう子どもをなんとかしたい!でも何をしたいいのか分からない!そんな悩みに対して、娘さんを持つ父親でもある新見正則医院院長、新見 正則先生からお話を伺いました。




緊張してしまう子にかけたい言葉


緊張してしまう子、上がり症の子どもにかけたい言葉は「素のままでいいよ!」です。子どもはナイーブです。ですから緊張している自分、上がり症の自分を友だちに、他人に悟られたくないのです。そう思えば思うほど、更に緊張し、更に上がってしまうのです。

子どもには個性があります。大人にも個性がありますが、子どもの個性は本当に幅広いと思います。将来への可能性が無限に近いとも言い換えられます。そんな個性のひとつが、緊張しやすい体質だったり、上がり症の性格です。温かく見守ってあげましょう。

「人に知られたくないこと」への対処は二通り

他人に悟られたくないこと、知られたくないことへの対処は二通りです。ひとつはずっと秘密にしておくことです。決してバレないように覚悟を決めることです。もうひとつの対応は、サッサとカミングアウトして、素の自分を語ることです。子どもの頃のナイーブな性格では、なかなか素の自分を出すことに踏み切れません。当然ながら、悟られないことを目指すのです。でもそんな努力をしても実は周囲には既に悟られていることが多いのです。ですから、親としては上手に「素の自分でいいんだよ!」と日頃から何気なく語って、それを自分の個性として生きていくように誘導する(悟らせる)ことが大切と思っています。

上記のことを結構自信ありげに語れるのは、自分が子どもの頃、吃音と読語障害で悩んでいたからです。僕の読語障害は書いてある文字を言葉にできないものでした。暗記すれば発語できます。しかし、テキストとして書かれてある文章を口述できないのです。小学校の頃、平家物語の口述試験があり、教科書を見ると言葉として発せられないので、すべて暗記して、教科書は見ている振りをして逃げ切りました。吃音と読語障害を周囲に悟られないようにするためにいろいろな努力をしました。その努力は大学入学後も続きましたが、結局はどれも効果薄でした。そこで、ある時「素の自分で生きよう!」と思えたのです。そして吃音も読語障害もカミングアウトして楽になりました。その後は、徐々にその二つの障害は消えていきました。

ずっと沈黙するか、素の自分をサラして生きていくかは、焦らずゆっくりと決めればいいことです。親としてはそんな選択枝を提示して、遠くから、でもしっかりと子どもを見守ってあげて下さい。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。

新見正則の生き方論は以下の最新刊も参考にしてください。
『しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通』

新見正則医院ホームページ

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