前回の話
ひとりの時に急にお腹に激しい痛みを感じたきみこさん。陣痛はまだのはずと不安になった時、思い浮かんだのはタカシさんの優しさでした。
兄と姫[35]なんで俺?言ったものの放っておけない元夫
思わず兄に電話をしたきみこ。
「・・・はい。もしもし。」
懐かしい兄の声に
「・・・あっ。あの」
口ごもります。
「・・・なに?」
冷静な兄の声。
お腹の痛みに耐えながら、不安になってつい兄に電話してしまったことを伝えます。
「なんで俺?『あっくん』は?」
そっけない態度の兄ですが仕方がありません。あんなひどい事をされたのですから。
「あっ・・・他の女の人と出て・・・行っちゃって・・・」
お腹がどんどん痛くなってきて、きみこは言葉が思うように出てきません。
兄は電話の向こうで苦しむきみこの声を聞き、じっと黙って考えていました。
「ご・・・ごめん急に電話・・・き・・・切る」
以前のように兄が優しく何でも言う事を聞いてくれるなんて、甘い考えだったときみこも悟ったのでした。
「も・・・う・・・びょう・・・いん・・・いく・・・」
突然ごめん、と伝えて電話を切ろうとしたきみこでしたが、兄の声の方が先でした。
「待って!!」
「今、部屋だよね?そこにいて!!」
兄はすぐに車を走らせ、きみこの元へ向かったのでした。
妃の出産の時のように、きみこにぴったり寄り添って助ける兄。
でも今回は少し違いました。
「ありがとう・・・本当、ごめんなさい」
と、きみこは心から兄に感謝していました。
続きます
ママ広場オリジナルマンガ「兄と姫」は毎日更新します。おたのしみに!
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※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
※登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
脚本:のきわだ
1児の母。子育てに奮闘中。
作画:dechi
監修:ママ広場編集部