親子で過ごす時間が少ないのはダメ?一緒にいた時間が子供に与える影響とは

共働きが当たり前の時代になってきて、子供と過ごす時間が十分に取れていないと悩んでいる家庭も少なくないのではないでしょうか。
人間の基本的な人格や性格は、遺伝的要因もあるとされていますが、生い立ちや環境、経験などによって形成されていきます。
特に幼児期の親子関係は重要であると言われていますが、親子が一緒に過ごす時間が子供に与える影響について考えてみましょう。

親子で過ごす時間が少ないのは悪い影響だけではない

親子で一緒にいる時間が少ないと、子供にとってどのような影響があるのでしょうか。
悪い影響もあれば、良い影響もあります。

親子の時間が少ないと自己肯定感が低下する?

まずは子供へ影響しうる可能性のある悪い内容から3つ挙げてみます。
・自己肯定感や自尊心が低下する
子供と過ごす時間が少ないと、子供は親から十分な愛情を受けられていないと感じることがあります。
・コミュニケーション不足
会話する機会が物理的に少なくなるので、言語の発達速度やコミュニケーション能力が育たない可能性があります。




・ストレスや不安を抱える
親との関係が距離を置かれることで、子供はストレスや不安を感じることがあるかもしれません。

親子で過ごす時間が少ないと自分で考える力がつく

逆に良い影響とはどのようなものでしょうか。
・自分で考える力が身につく
子供が親と過ごす時間が少ないと、子供は独立した思考や行動を取る機会を得られるため、自己表現や自己成長を促すことができるかもしれません。
子供はまだ自分の感情を理解したり、上手く表現することができません。
しかし、親と過ごす時間が少なすぎると自己中心的な考えや行動をとる傾向になってしまう可能性もあります。

親子で過ごす時間が子供に与える影響の研究結果

親子の一緒にいる時間が子供にどのような影響を与えるのか、いくつかレポートが発表されているのでご紹介します。
子供の言語発達に良い影響を与える
親と過ごす平均時間が長い子供ほど初回検査の言語理解力が高く、2回目の検査でもよりいっそう高まっていました。数年後の子供の言語に関係する脳領域の発達や言語理解に良い影響を与えることが分かりました。
(参考:東北大学加齢医学研究所|米国神経学会機関誌「Journal of Neuroscience」(2015年)https://medical-tribune.co.jp/kenko100/articles/150217528030/)

学力が高い傾向
母親の就業は、非正規や無職の場合に学力が高い傾向にあります。この結果は、母親の就業が教育投資の源泉として子どもの学力へ与える影響よりも子どもとの接触時間との関連がうかがえます。正規雇用の母親に比べて、非正規や無職の母親は、家に居る時間や子どもと過ごす時間が長いことが予想されます。
(参考:国立教育政策研究所|親の所得・家庭環境と子どもの学力の関係(2018年)https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_seika/h28/nier_dps_008_201803.pdf)

一緒に過ごした期間の長さは影響ない
一方、外国のデンマークでの研究結果では、生後、母親と一緒に過ごした期間の長さは、子供の将来の進学状況・労働所得などにはほぼ影響を与えていないと発表されています。
ドイツ、オーストリア、カナダ、スウェーデンなどでも同様の結果が出ています。
(参考:Labour Econ.|Rasmussen AW. Increasing the length of parents’ birth‐related leave: The effect on children’s long‐term educational outcomes. (2010年)
https://ideas.repec.org/a/eee/labeco/v17y2010i1p91-100.html)




親子で過ごした時間と学力は必ずしも比例するわけではありませんが、長く過ごせた方が良いに越したことはありません。
しかし、昔と比べて子供と過ごす時間が十分に取れていない家庭も増えてきています。
そこで限られた時間の中で、子供と一緒にいる時間の「質」をあげることが大切だと言えます。

時間が少なくても質でカバーすれば大丈夫

子供が親と過ごす時間が少ないと、子供の成長にとって良いこともあれば、悪いこともあると言えます。
そのため、子供が親と過ごす時間が少なくても、質の高い時間を過ごすことが重要です。
例えば、一緒にゲームをするよりも、一緒に話し合うような子供とコミュニケーションを深めるような活動をすることをおすすめします。

みなとと
ひとり娘のシングルファザーです。
結婚2年目に癌で最愛の妻と死別後、在宅ワークに切り替えて育児と仕事を両立中です。

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