前回のお話
障害のあるゆみかちゃんを育てるあやこさんに向けられる励ましの言葉。その言葉に悪意はないとわかっているものの、裏の言葉が透けて見えて卑屈に受け取ってしまう自分が嫌になるあやこさん。「選ばれたと言われて嬉しい人はいるだろうけど・・・私はそんなに強くない」癇癪を起こして泣き叫ぶゆみかちゃんを前にそう思うあやこさんでした。
障害児のママは神様に選ばれたと言われて[22]
「イーッ」
ゆみかちゃんは泣き叫びながらお気に入りの絵本を破ってしまいます。
「!?何やってるのゆみか。それ大事な絵本でしょ!?」
少し落ち着いたゆみかちゃんは、破れてバラバラになった絵本を見ると・・・
「うしゃぎのおやこ。うしゃぎのおやこぉぉぉ」
再び激しく泣き出しました。
「自分で破ったんでしょ?泣くなら破かなきゃいいじゃない」
そう言いながらあやこさんは破れた絵本のページを拾い集めます。
「ハァ・・・ゆみかの精神安定剤だったのに」
破れた絵本を眺めながら、どうしてこんなことするんだろう・・・と考えるあやこさん。
すると、
「やぁぁぁぁぁ」
あやこさんの手から絵本を取って泣き続けるゆみかちゃん。
好きなものを壊しておいて、壊れたら大泣き。一体どうしたら満足なの?
「泣きたいのはこっちだよ」
ボソッと呟き、
自分の娘なのに全然わかってあげられない・・・そう感じるのでした。
続きます
植木千尋
ブロブフィッシュ似の主婦です
知的障害を伴う自閉症児を子育て&溺愛中