「まさかこんなところで!?」が多い幼児の事故。気を付けるべきこととは?歯科口腔外科の先生に聞いてみた

子どもが起こす不意の事故。焦ってしまい、どうしたらいいかわからない!なんてこともありますよね。
今回は幼児に起きやすい事故や、実際にケガをしたときの対処法を高谷秀雄歯科クリニック院長、高谷秀雄先生に伺いました。

幼児はなぜ転ぶ?

子どもが顔や頭をぶつけてケガをしてしまうことが多いです。幼児はなぜ転びやすいのでしょうか?

幼児期はまだ転んだ時に、とっさに動くことはできません。大人でしたら手を付いたり、顔や頭をよけたりして転がりますが、幼児はそうもいきませんね。また、体表面積に対して頭が占める重さが大きいので、子供は頭や顔をガーンと打ち付けるような転び方をしやすいです。

どんな外傷がある?

幼児のけがを防ぐため、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。よくあるケガを教えてください。

当クリニックは口腔外科も診療しておりますので、転んでケガをしたお子さんもいらっしゃいます。
転んだ先に偶然あった段差の角に口を開けたまま打ち付けた。
砂まみれの地面で転んだため、傷がとても汚れている。
三輪車や自転車でつまずいて、ハンドルに顔を打ち付けた。
歯ブラシや割りばしを咥えたまま転倒して口の中を傷つけた。
ケガをしてから数か月たってから、歯がグラグラしてきた。歯茎が腫れて膿んできた。
「まさかそんなところでケガをするなんて」という親御さんの声をよくお聞きします。子供が元気に遊んでいるのは良いことなので、つきまとうケガのリスクを防ぎにくい印象です。



幼児がケガをしたら?

子どもがケガをしてしまった!何が起こったのか見ていなかった!・・子どもが痛がっていなかったら大丈夫?

幼児は痛みを説明することが難しいケースが多いです。転倒したあとに平気な顔をしていてもしばらくは要観察です。見た目には軽傷でも、レントゲンを見てみたら内部で歯が折れているケースや、浅い傷のように見えても唇や頬を貫通していることもあります。貫通した傷に気づかず放置すると、おおよそ1週間前後で化膿し、消えない傷跡が残ることがあります。
小さいころに歯が無くなってしまうと、その後に永久歯が生えてくるときにバランスが悪くなってしまう原因になります。やむをえず歯を失ってしまった場合も、歯科クリニックで適切な処置をすれば後遺症を最小限にとどめることもできるでしょう。
転倒したところを見ていなかったら、周囲にいた人たちに状況をよく聞いておいてください。容体が悪くなって救急しなければいけない際に必要な情報となります。
また、総合病院ではない規模のクリニックなどに罹る場合はレントゲン、CT撮影の設備が整っていれば安心できるでしょう。

[執筆者]

高谷秀雄(たかたに・ひでお)先生
歯科医師(歯科口腔外科)
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長

[プロフィール]
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門は親知らずの抜歯・口腔癌等、歯科口腔外科全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。

高谷秀雄歯科クリニック ホームページ
https://www.takatani-dental.jp

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