【歯科医師に聞いてみた】「歯磨きした?」「したよ!」だけでは少し不安。仕上げ磨きは何歳まで必要ですか?

子育てに悩みは尽きぬもの・・・そのなかのひとつ、「歯磨き」。今回は岡本歯科医院院長、岡本徹先生に子どもの歯磨き方法について伺いました!
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皆さん、子育ての真っ最中でさまざまな悩みも多いことと思います。そんななか「お子さんの歯磨きについて」も、そんなお悩みのひとつだと思いますが、少しでもお役に立てる情報になればと思っています。

年齢別、歯磨きのコツ!

「お子さんの歯磨きについて」ですが、基本的にはお子さんの年齢・成長・発達に応じた磨き方のコツがあります。

新生児~3歳の歯磨き方法
まず、生後半年くらいまでは、まだ歯が生えてきません。この時期は将来の歯磨きをスムーズに行うための準備期間なので、たまに口の中や口周りを触ってあげる程度でOKです。お口の中を触られることに慣らしていってください
だいたい6ヶ月を過ぎると、前歯が生えてきますので、その頃は小さな歯ブラシを使って磨くのも良いですが、ガーゼ等で拭う程度でも構いません。

そして1歳から2歳では、前歯が上下4本ずつ生えそろって奥歯も生えてきます。この時期からはお子さんに歯ブラシを持たせて「食べたら磨く」という習慣をつくりたいですね。また、奥歯のかみ合わせの面は溝が深いので歯ブラシを細かく動かしてしっかりとこすって仕上げ磨きをしてください。基本の姿勢としては膝に頭をのせて寝かせて磨くのが、お口の中がよく見えるので良いでしょう。

3歳になると、一番奥に歯が生え、上下20本の乳歯が生えそろいます。その頃には仕上げ磨きにも慣れてきてはいますが、逆に甘いものを食べる機会も増えてきます。歯と歯の間は虫歯の好発部位ですので、歯ブラシだけではなくデンタルフロス(糸ようじ)も使ってください。
また、歯ブラシを持ったまま転ぶと大きな事故にもつながりますので、近くで見るようにしてください。毎食後の仕上げ歯磨きが理想ですが、嫌がって思うようにいかない場合は1日に1回でも良いので、出来れば夜寝る前に、少しでも良いので仕上げ磨きをしてください。「歯磨き前に眠ってしまった」場合にはわざわざ起こさなくても、次の日の朝に磨くか、次の日の夜にいつもより時間をかけて磨けば良いです。

4・5歳~8・9歳の歯磨き方法
4歳から5歳では、しばらく歯の数の変化はありませんが、まだまだ、お子さんだけでは上手く磨くことができません。特に歯と歯ぐきとの境目を磨くことが大切(大人でも!!)なのですが、なかなか難しいです。しっかりと仕上げの歯磨きを行ってください。

概ね、5歳位から下の前歯がグラグラしはじめ、乳歯から永久歯への生えかわりが始まり、6歳になる頃に奥歯の後ろの何もないところから新たに永久歯が生えてきます。この永久歯は「6歳臼歯」と呼ばれ、かむ力も強くとても重要な歯です。一生使うこの大事な歯を虫歯にしないためにはやはり仕上げ歯磨きがとても重要です。生え始めの頃は歯の一部分しか出ていなく、大部分は歯ぐきに覆われているのと手前の乳歯との段差があるので、磨きにくく、より注意が必要です。

8歳から9歳くらいになると、1人でもきちんと器用に磨けるタイプと、そうでないタイプとの差が出てくる頃です。仕上げ磨きの卒業のタイミングでもありますが、1人でちゃんと磨けているかどうか歯科医院で健診を受けるのも良いでしょう。

10歳以降の歯磨き方法
10歳から12歳ではブラッシングの状態にさらに個人差がでる時期です。また、12歳前後になると、更に一番奥に「12歳臼歯」と呼ばれる歯が生えてきます。その歯のブラッシングもやはりとても難しいので、定期的なチェックが望ましいです。

そして、12歳から15歳、中学生になると生活様式に変化が起こる時期です。部活動などで、水分補給のためスポーツドリンクを飲む機会が増えると虫歯のリスクも高くなります。また、普段の食生活においても親の管理が難しくなる時期です。この時期には先ほどの「12歳臼歯」(前から数えて7番目の歯)が生えて、基本的にすべて永久歯に生え変わります。歯をしっかりと磨くことも大事ですが、定期的な歯科健診を受け、チェックする機会をつくることが大切です。




高校生以降は?
高校生になると、もう、ほぼ大人と同じ考えで磨いてもらえば良いですが、生活はますます不規則になり、例えば夜食を食べてそのまま寝てしまうということもあるかもしれません。せっかくの歯磨きの習慣を途絶えてしまわないように、声掛けなどのサポートを心がけてください。
また、虫歯だけではなく、歯ぐきから出血したり、歯石がついていたりして、歯周病ケアが必要な人もいます。ここでも定期的な歯科健診を受けて、正しいブラッシングを続けることが肝要です。

[執筆者]

岡本 徹(おかもと・とおる)先生
(公社)東京都大田区大森歯科医師会監事
東京都歯科医師連盟専務理事

[プロフィール]
東京医科歯科大学歯学部卒業後、さまざまな歯科医院での勤務経験の後、平成27年より岡本歯科医院院長へ就任。「継続は力なり」を座右の銘とし、生後数ヶ月の赤ちゃんからご高齢の方まで気軽にご来院いただける「地域のかかりつけ歯科医」を目指し、日々取り組んでいる。また、「患者さまファースト」を大切に、すべての治療を院長が一貫しておこなっている。
趣味は剣道(教士七段)・読書・映画鑑賞。

岡本歯科医院 ホームページ
https://www.okamoto-d.net/

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