前編のお話

「聾学校ではなく、地域の普通小学校へ入学した際、どのようなことをしましたか?」という質問の後半になります。

(4)補聴援助システム使用のお願い

補聴援助システムとは人工内耳や補聴器の聴こえ(特に騒音下)を向上させる、補聴を援助する機械のことです。
送信機を話し手に利用していただくと、その方の声がよりハッキリと聞こえやすくなります。(耳元で聞こえる感じ。)
娘の希望で小学校での使用年数は3年ほどでしたが、話し手と距離がある時や騒音化では便利でした。

ここまでが入学前に相談したこととなります。
次からは入学後に相談した内容になります。

(5)プールについて

娘は重度の難聴だったため、安全性の面から防水仕様に変更して装用しないと入る許可を貰えませんでした。防水キットを使えばプールや水遊びの場面で人工内耳を装用したまま楽しめるので非常に便利でした。ただ、娘の場合は通常時より聴き取りづらくなるようでした。また、防水仕様にセットすることは一手間かかり、娘が一人でする作業としては難しかったので、低学年のうちはプールの授業の前後に私が人工内耳の管理をするために学校へ行っていました。


※プールへ入る許可は学校によって判断が異なると思いますので通学される学校に確認してみてください。

(6)音楽の授業について

娘は「今どこを歌っているのか?」「どこを演奏しているのか?」が分かりづらかったため先生に歌詞を指でなぞっていただいたり、目で見て分かりやすいように工夫をしていただきました。
ただ、どうしても娘の場合は音程がわかりにくく、歌を正しく歌うことが困難なため口パクをしてやり過ごすこともあったそうです。いろいろなトレーニングを試していますがなかなか難しいです。人工内耳装用でピアノを習っている子がいたので、その場合はまた変わってくるのかな?と思います。

(7)英語の授業について

小学校中学年から英語の授業が入ってきます。ALTの先生(英語を母国語とする外国人の先生)も授業に参加してくださっていたため生の英語を学べていいなと感じていましたが、娘の感想は「何を話しているのか全然分からなかった。」と。
また、授業は友達10人に質問をして答えてもらうなど、アクティブな内容がメイン。そのため教室がザワザワしてしまい友達の声も聴こえづらいとのことでした。

担任の先生に相談してどうすれば良いかを話し合った結果
・前もってその日に勉強をする内容が書かれたプリントを渡してもらう
・担任の先生の近くにいる
この2点で娘はかなり安心したようです。
5年生から塾に通い始め、少しずつ英語に慣れていったことも結果的によかったです。

(補足)英語の授業について

1年生から言語の通級指導に通っていました。
小学生と中学生を対象にした、難聴やことばの発達に不安のある子が通う教室です。
娘の通級指導は週1回の個別指導とそれより少ない頻度でグループ指導もありました。

情報や悩みは、言語通級指導の先生⇒小学校の担任の先生⇒保護者の順で交換ノートを回し共有をしていました。悩みの内容によっては通級指導の先生から小学校の担任の先生に直接働きかけてくれることもありました。

その他には宿泊を伴う特別活動の時には事前に担任の先生に相談させてもらったり、体力テストなどでリズムをとらなくてはならないことに苦戦したため工夫していただいたり、本当に様々な対応をして下さいました。
(先生によっては相性が合わないなどはもちろんありましたが)
娘が「どういう時に聞こえないのか」と主張したことについて、どうしてもサポートが必要だと判断したことは、なるべく先生に相談していました。
また、協力やサポートをしていただいた時には、必ず感謝の気持ちを伝えることも大切にしました。障害があるなしに関係なく、「ありがとう」の気持ちを忘れてはいけない、と個人的に思います。

草餅きなこ
先天性重度難聴で両耳人工内耳装用中の娘がいます。
娘の難聴が分かった時、私自身ネットや本などで情報を得たので、ほんの少しでも難聴児ママさんにとって参考になれば嬉しいです!
Instagram:草餅きなこ(mochimochikusamochi87

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入学してからも、学校側と直接話すだけでなくノートを回覧するなどでたくさん情報共有されたのですね。草餅きなこさんのように、困難な事、どんなサポートが必要なのかなどを具体的に準備されているところが素晴らしく、工夫の提案もしやすかったのではないかなと思いました。完全には問題解決にはならないこともあるかとは思いいますが、学校生活における子供のトラブルの相談方法としてもとても勉強になりました。
[ママ広場編集部]

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