前回の話
「ママのおすし、いつもないからお店で食べたの?」と無邪気にたずねるダイ君に、「え?ママのお寿司いつもないの?」と聞き返す女将さん、「ばーばとパパがおすしの時、ママはいつもおにぎりだよ」と言うダイ君の言葉を遮るように「・・イヤだ~そんなことないのに(汗)」と取り繕う義母、いろいろ察した女将さんは帰り際に「あなたも大変ね。何かあったらすぐにお店に来なさい」と言ってくれて・・
嫁の私は透明人間[10完]ばーばの家ではママはおにぎり
その後、ご主人がダイ君のお迎えに幼稚園へ行った時、ある出来事が起こりました。
園の先生たちに張り切って報告するダイ君。
「あしたねー。ばーばのお家行くんだよー」
それを聞いていたお友達のアイちゃんも
「アイもあしたばーばの家に行くよ、ねぇママ。」
すると、素直なダイ君が言ったのです。
「アイちゃんのママのおにぎりつくらないとだ~。」
「おにぎり?」
思わずアイちゃんのママが聞き返しました。
きょとん、としてダイ君が逆に聞き返しました。
「ばーばのおうちに行く時はママのご飯はおにぎりでしょ?」
アイちゃんのママだけでなく、幼稚園の先生も
「え?」
思わず声をそろえてしまった様子に大慌てになったのはご主人です。
「ちょっ・・ダイ!」
サーッと青ざめました。
けげんな顔で固まるアイちゃんのママや幼稚園の先生を前に、全く悪気の無いダイ君は、笑顔で更に報告したのです。
「あのね、ばーばの家に行くとね、ばーばとパパとぼくはお寿司だけど
ママはおにぎりなんだよー。ばーば、いつもママの忘れちゃうのー。」
完全に状況を察した大人たち。
「え・・・。」と、ドン引きしてしまいました。
「今度、お寿司屋さんにお店に来てねって言われただろ」
とご主人は顔を真っ赤にしてフォローしますが、もはや何の意味もありません。
「あっそうだ、ママ、初めてのお寿司だよー」
まだまだ詳細を報告しそうなダイ君を、ご主人は大急ぎで連れ帰りました。
帰宅し、その出来事をユキさんに話したご主人は
「すっごい恥ずかしかった・・・」と呆然としていましたが、ユミさんは「いい気味」とばかりに
「自業自得でしょ、今までの行いを反省したら?」
と冷たく言い放ったのでした。
後日。
「こんにちはー」
お寿司屋さんには、ダイ君と手を繋ぎ、笑顔でのれんをくぐるユミさんの姿がありました。
完
次回ママ広場マンガは「自己中な夫と義父母同居」です。お楽しみに!
[1ー1]夢のマイホームに夢「だけ」広がる夫に不安しかない。自己中な夫と義父母同居
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※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
※登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
※この記事は過去に公開したものを再掲してしています。
脚本・編集:ママ広場編集部 作画:dechi