親をはじめとする大人たちの会話、保育園、テレビ...あらゆるところで聞いた言葉をどんどん吸収する5歳息子は、語彙がずいぶん増えてきました。良い言葉ばかりでなく、当然悪い言葉もたくさん覚えてしまっています。
明らかに悪い言葉の意味やそれが乱暴だということ、また使うとどう影響するのかを教えるのは簡単。
でも、使ってはダメというほどではない言葉や人によっては使っても容認される言葉、あるいは状況によってわざと言い方を変えている言葉など、大人は自然にしていても「YESかNOか」でないとまだ混乱する5歳児には説明するのが難しいなと思う今日この頃です。
言葉遣いが時々乱暴になる5歳息子
息子は戦いごっこが大好きです。
恐竜のフィギュアを戦わせて遊んだり、"光の国の戦士たち"と怪獣を戦わせたり、
最近では「水の呼吸!」「弐ノ型 !」と、ブロックで作った剣を振り回して楽しそうです。
戦いごっこにはヒーローと悪役が必須。
そして悪役の言葉遣いは悪いものですし、そうじゃないとごっこ遊びが"らしく"ならない。
遊びの中で、「お前!」「~やらねぇんだよ!」とか言い始めましたが、そりゃそんな言葉も覚えるし、悪いヤツが使う言葉を認識しているんだなぁと思うので、こういう時は特に気にしません。
ん?今ママに何て言った?
保育園の準備をしている私に、悪役の口調で息子が「早くしろ。」
食事の時お茶を出し忘れていたら、「お茶がねえ。」
...その言い方。誰に言ってんの?
「あっ、ごめんね。」すぐに謝る息子。
覚えた言葉やワルの言い方をちょっと使ってみたかったのだな、と私もわかっているけれど、この場合はスルーしません。
お茶が飲みたくて人に頼むときは何て言うの?
「お茶ください。」
どんな悪者より鬼より、最恐なのは母かもね(笑)。
子どもがなぜ乱暴な言葉をつかうのか
色々なサイトを読んでみると、なるほどと思うことがたくさんありました。
・どのくらいまでなら言ってもよいのか試している
・反応をみるのが楽しい。(相手が怒るのも含めて)
・意味が分かっていてもいなくても、覚えた言葉をすぐに使ってみたい
でも成長過程だからといって受け流すのではなく、人に乱暴なことを言ったり、言い方が適切ではない場合は厳しく叱り、良い悪いをきちんと理解させることが必要だとも書いていて、最恐の母はたびたび出現してよいのだと納得しました。
言葉の使い分けを覚えようとしている?
最近になって、息子は言葉について質問が増えました。
「ママ、『きみ』っていいこと?」
「『アンタ』って、悪い?」
「『お前』は言っていいの?」
...え~と。
まず『きみ』って、誰が言ってたのを聞いたの?
「あのさ、『きみにあげるよ』って言ってた。」
悪い言葉ではない。けれど、5歳児がだれかれ構わず「君にあげるよ」「君もあそぼう」なんて言うのは違う。
私は息子に、悪い言葉ではないけれど、自分よりも小さい子に言うときに『きみ』って言ってもいいよ。でもあんまり言わないかなぁ。と答えました。
『アンタ』はあまり良くない言葉だよ。
「ママは言うよね。『アンタ』って。」
...あ。そうだね、ママは言うね。
確かに私は、息子(や夫)が何かを置きっぱなしにしていた時なんかに言います。
「アンタ...こんなとこにコレ!置きっぱなし!」
あらためて文字にするとひどいな(笑)。
他にも寒い日なのに息子が半そで短パンに着替え始めた時にも言います。
「そりゃアンタ寒いでしょうよ。」
わざと雰囲気を変えて言うとき、冗談で言うときなどに大人は自然に使い分けているけれど、これを説明するのは難しくて、本当はあまり良くない言葉なんだよ、としか言えませんでした。
そして、『お前』。
これは簡単とばかりに、『お前』は乱暴な言い方だよ。鬼とか悪者がよく言ってるもんね。とこたえると、
「伯父ちゃんは言うよ。『トラ~。お前大きくなったなあ』って言うよ。」
...そうね。言うね。
「大人(伯父ちゃん)はいいんだよ」では違うし、「悪い言葉なんだよ」では息子は伯父ちゃんに乱暴な言葉で言われていると取りかねないから違う。
「男の言葉」も違うし「あのお前は愛があるけど悪者が言うのは悪い」ってなんだそりゃ。
こたえに困った私でしたが、大人の男の人はよく『お前』って言うけど、全部が乱暴に言っているんじゃないんだよ。
お前って言われたら、お顔を見てごらん。伯父ちゃんみたいにニコニコしているときは、トラのことが大好きなんだよ。
でもね、子どもは『お前』は戦いごっこの時にだけ使っていい言葉だよ。
と伝えました。
伝えながらなんか違うかもしれないけどそんな感じじゃないかなぁとあいまいな気持ちでした。
あぁ、英語っていいよね、全部YOUだもんね~。
息子は私のこたえで全部を理解したとは思えません。
だって私自身がこれでいいのか?ってぼんやりしているもんなぁ。
けれど、今まで『あなた』しか知らなかった二人称の呼び方が、他にももっとあるのだと知ったことや、
呼び方によって良い悪いがあるみたいということに気づいてきている様子の息子。
"言葉の使い分け"の、ものすごい入口まできたんだね。
息子の成長を感じるとともに、私の何気ない言葉もちゃんと聞いていることにドキッとしました。
子どものお手本になれるような言葉遣いをしなくちゃね。