引っ越しが決まった!新しい歯医者さんを探したいけれど、今の歯医者さんから変えない方がいい?新しい歯医者さんを探すコツは?
そんな疑問に医療法人社団 光志会 奥原歯科医院院長、奥原利樹先生からお答えいただきました。今回は後編です。
「もしも!」に備えてかかりつけ医を探しておこう!
前回のお話では、比較的近距離での引っ越しであれば、今の歯医者さんに継続して通うのがいいと述べました。
ただし、同時に近所で信頼できる医院を探す努力も必ず行っておいて欲しい!というのが私の願いです。
というのは、保育園、幼稚園、小学校低学年児等の場合、
園庭の滑り台から落ちた!
ブランコの近くにボールを拾いに行ってぶつかった!
家の階段から落ちた!自転車で転んだ!
など予想もしないアクシデントが非常に多いからです。
当院にも「外傷」の急患は年に何回かは必ずあります。
「外傷」や「事故」の場合は口の中が血だらけで歯がぐらぐらしてる!すでに歯が抜けてしまった!唇が切れて倍くらいに腫れている!など一刻を争う事態が多く、こういう「もしも」の場合も日頃から想定して近所に信頼できる「かかりつけ医」を見つけておくことは非常に重要です。
素早く的確な処置ができていれば一度抜けてしまった永久歯でも、「再植(再び元位置に戻して固定する)」し持たせることも可能だからです。
特にまだ幼い若い細胞は柔軟に処置に対応してくれるので、大人だったら完全にアウト!状態のケースでも復活できる事が多いのです。
新しいかかりつけ医、どうやって探せばいいの?
でも、「どうやったら急患対応もしてくれる信頼できる医院を探せるの?」
これが一番の問題かと思います。
どんなに評判がよいといわれていても、そこはどうしても人間対人間、相性の良し悪しは必ず生じてしまいます。
一度のチャレンジで「まあ、こんなもんかな?」と妥協せず、心から信頼できるドクターを探す努力と覚悟は必須です。
ここで子どもの成長を一緒に見守ってくれる「かかりつけドクター」を見分けるいくつかの項目をあげてみます。
新しい医院を探す際の参考にしていただければ幸いです。
[1]電話予約の際、受付の感じがいい。(ネット予約ではわからないので、必ず電話をしてみましょう)
[2]待合室、トイレ、スリッパなどが清潔で心地良い
[3]担当医がきちんと自分の話を聞いてくれる(何でも相談できる雰囲気がある)
[4]急な事故やけがをした場合、急患対応は可能か?あらかじめ聞いておく
[5]専門用語や難しい言葉を極力使わずに、わかりやすい例えで説明してくれる。
[6]どのスタッフも「笑顔」で生き生きとしている
[7]男性、女性を問わず、小児を得意とするドクターがいる。(専門医でなくてもOK)
[8]治療終了後、必ず子どもの目線で「頑張ったね!偉かったね!」と子どもを誉めてくれる
[9]小児矯正を行っている
保育園、幼稚園、小学校などのママ友の情報を参考にする。(同学年に一人くらい歯科医の子どもがいる事も多い)
終わりに
引っ越し先で、不意のケガや事故に遭う可能性もあるので、何もない時に「ここ良さそうだな?」と思っている医院があれば、まずは大きな処置が必要ない「定期チェック」の予約をいれてみてください。いざという時に対応してくれる医院かどうか実際に自分の目でしっかり確認して「かかりつけ医」をつくっておきましょう!
そして実際に行ってみて少しでも?が出た場合は、違う医院にアポイントを入れてどちらがより自分の考え方に共感し寄り添ってくれそうか?妥協することなく、比較検討しておくことをお勧めします。
「歯」はかけがえのない一生の財産なのだから。
[執筆者]
奥原利樹先生
医療法人社団 光志会 奥原歯科医院 理事長
[プロフィール]
1963年長野県松本市生まれ。1989年広島大学歯学部卒業。
1996年埼玉県所沢市に奥原歯科医院を開業。その後医療法人を立ち上げ2007年に現在の自社ビルに移転し開業27年目。
一般診療のみならず、20年前から居宅、施設、精神科等への訪問歯科診療(往診)も積極的に行っている。
「1本1本の歯に対する患者さんの気持ちに徹底的に寄り添う」姿勢を守り続け、現在はチェアー12台、歯科医師10名を含む総スタッフ50名の医療法人社団光志会理事長として、
また現役の歯科医師として現場で若いドクターの教育に診療に奮闘中。
長女(歯科医師、大学院在籍)長男(国立大学歯学部在籍)の二児の父でもある。2021年よりSDGs、CSRを実践するため、障がいを持つ方の就労支援や「福祉マーケット」の定期的な開催、運営にも力を入れている。
著書「やっぱり、歯科医って素晴らしい!!」Discover21
「歯科医志望者が絶対に知っておくべき32のこと」幻冬舎
奥原歯科医院 ホームページ
http://www.koushikai17.or.jp/