[前編]引っ越しが決定!新しい歯医者さんのほうがいい?今の歯医者さんを変えない方がいい? 奥原歯科医院院長、奥原先生に伺いました

転勤などで遠方に引っ越し。そんな時、子どもの通う歯医者さんは変えてもいい?変えないほうがいい?
引っ越しが決まった!新しい歯医者さんを探したいけれど、今の歯医者さんから変えない方がいい?
新しい歯医者さんを探すコツは?そんな疑問に医療法人社団 光志会 奥原歯科医院院長、奥原利樹先生からお答えいただきました。

今回は前編です。



引っ越しが決まったらまずは報告を!

春は転勤、引っ越しの季節ですね。仕事の関係などで急に遠方への転勤が決まった場合、かかりつけ医をどうしたらいいのか?
とても不安になると思います。
私は歯科医なので、その立場から意見を述べてみようと思います。

まず歯科の特徴として1回の治療ですべてを終わらせることは難しいため、現在かかりつけ医がいる場合は、転勤が決まった時点で引っ越す旨を医院に一報入れていただきたい!という事です。
普通に予約を取ろうとすると、人気のある医院の場合1か月近く先の予約しか取れず、引っ越し日までに治療が終了できない事もあります。
私たち医者も一人の人間であり、今まで小さいころから経過を見て来たお子さんの事は家族のように大切に思っています。

なので引っ越しされることはとても寂しく思いますし、同時にやり残した治療がないように、またスムーズに次のドクターに引き継げるように、極力引っ越し日までに治療を終了させる予約体制を取ります。
具体的にどうするかというと、残りの治療計画から逆算して、治療回数をはじき出し、引っ越し日までにその回数通院できるかどうか?親御さんと相談します。
まずは早めに引っ越しの連絡をいただき担当医と今後の日程を決めておくことをお勧めいたします。

引っ越し先の慣れない環境でお子さんも親御さんも不安な中、まだよく知らない新しい先生に歯の治療をしてもらう事は、思っている以上にとてもストレスがかかる事だと思います。
「引っ越し先で誰か先生の信頼できる先生はいませんか?」とよく聞かれますが、さすがに全国に友人や後輩がいるわけでもないので、ここはあまり期待しない方が賢明だと思います。
必要があれば担当医に、次の医院に持っていく「紹介状」を書いて欲しいという旨を伝えましょう。

依頼があれば今までの治療の経緯や現在経過を見ている中での注意点、定期健診やクリーニングの周期、治療における注意点などを書いた「紹介状」を作成しお渡しできます。
ただこの「紹介状」作成も当日すぐに欲しいといわれても無理な事も多いので、引っ越しが決まった時点で伝えていただいた方が、お互いに余裕を持って対処できると思います。

近ければ、引き続き通うのも視野に入れて

引っ越しが終わり、少し新しい環境になれたら、新しいかかりつけ医を探すことになります。
ここでの注意点としては、電車の同じ沿線や、車でも通える範囲の比較的近距離の引っ越しの場合は継続して今の医院に通った方がいいと感じます。
歯並びの矯正をしている場合は特に感じます。

矯正は大体月1位のチェックが多いので、ドアツードアで1時間位なら十分通えると思います。
一口に「矯正」といっても施術するドクターのやり方が全て同じではなく、さまざまな流派があります。お茶や生け花に流派があるように(笑)
また「自費診療」なので転院した先でまた高額な料金を請求される可能性もあります。
すでに治療が終わり定期健診や予防に移行している場合も3か月に1度位なら継続の方が望ましいと感じます。

次のページ:後編に続きます。

[執筆者]

奥原利樹先生
医療法人社団 光志会 奥原歯科医院 理事長

[プロフィール]
1963年長野県松本市生まれ。1989年広島大学歯学部卒業。
1996年埼玉県所沢市に奥原歯科医院を開業。その後医療法人を立ち上げ2007年に現在の自社ビルに移転し開業27年目。
一般診療のみならず、20年前から居宅、施設、精神科等への訪問歯科診療(往診)も積極的に行っている。
「1本1本の歯に対する患者さんの気持ちに徹底的に寄り添う」姿勢を守り続け、現在はチェアー12台、歯科医師10名を含む総スタッフ50名の医療法人社団光志会理事長として、
また現役の歯科医師として現場で若いドクターの教育に診療に奮闘中。
長女(歯科医師、大学院在籍)長男(国立大学歯学部在籍)の二児の父でもある。2021年よりSDGs、CSRを実践するため、障がいを持つ方の就労支援や「福祉マーケット」の定期的な開催、運営にも力を入れている。
著書「やっぱり、歯科医って素晴らしい!!」Discover21
「歯科医志望者が絶対に知っておくべき32のこと」幻冬舎

奥原歯科医院 ホームページ
http://www.koushikai17.or.jp/

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