子どもの歯ぎしりが気になる!おうちでできる簡単歯ぎしり対策をこどもと女性の歯科クリニック院長、岡井先生に伺いました!

寝ているときの子どもの歯ぎしり、気になりますよね。今回はそんな「子どもの歯ぎしり」について、こどもと女性の歯科クリニック院長、岡井有子先生にお伺いしました。



寝ている子どもの歯ぎしりは心配いらないというけれど

こどもの10人に2人は歯ぎしりをしているといわれています。
歯ぎしりの原因はストレスや、あごの位置を決めるための交換期の歯への刺激という生理的なものだと考えられています。ですから、就寝時に時々歯ぎしりする程度であれば、多くの場合の歯ぎしりは心配ないでしょう。
しかし現代、過度の歯ぎしりにより驚くほど歯が擦り減ってしまっている子どもたちが増えています。むし歯じゃないのに歯がしみる、歯が痛いなどの状態の場合は過度な歯ぎしりが原因かもしれません。歯ぎしりには大きな心配がない場合もありますが、念のために歯科で診てもらうと安心です。

歯ぎしりの原因は何が考えられる?

近年の歯ぎしりの原因には、咬筋(こうきん)の緊張によるものも見受けられます。
では、なぜ、咬筋が緊張するのでしょう?
咬筋の緊張は、幼少期からのマスク生活で顔周りの筋肉が凝り固まることも原因と考えられます。
やわらかいものばかり食べ、口まわりの筋肉を動かさなくなったことによる咀嚼回数の減少も原因といえるでしょう。
お子さんのお口をのぞいてみてください。歯が同じ高さでスパッと切れていませんか?
これは歯ぎしりによって歯の高さが揃ってしまっているからかもしれません。
お子さんのほっぺを触って「奥歯で噛んでみて」と言ってみてください。えらの部分がカチカチになっていませんか?これは咬筋の緊張と考えられます。

歯が同じ高さでスパッと切れている場合や、乳歯の嚙む面の神経の管(歯髄/しずい)が見えている。そんな場合は、一度歯医者さんを受診してもよいでしょう。あまりにも削れてしまっている場合には、削れた部分を埋めてもらいます。歯がしみる場合は神経が悪くなる前に早急に受診したほうがよいでしょう。

歯ぎしり対策方法、教えてください!

このようにさまざまな原因が考えられる歯ぎしりですが、おうちでできる簡単対策。
筋の緊張を改善するために、口のマッサージや顔・舌体操を行うことがよいでしょう。

口のマッサージは口内へ指を入れ、歯ぐきにそって頬の裏側を奥から手前に伸ばすようなイメージでおこないます。
下顎の前歯部分は、下唇と歯ぐきの間に指を入れ、唇の裏側を上から下へ伸ばすようにマッサージします。こちらもあまり力を入れ過ぎないように、同じ箇所を数回伸ばしてみてください。頬の粘膜から続けて行うとマッサージがしやすいです。


爪などで口内を傷付けないよう、適度な力で行ってください。
同じ箇所を数回マッサージするとよいでしょう。夜の歯磨き時にトータル毎日5分程度行うと効果的です。
舌のトレーニングは、軽く口をあいた状態で、舌をまっすぐ前に出します。まっすぐ出すのはかなり難しいのでお子さんと一緒に挑戦してみてください。


舌を平らにしてまっすぐ出す、舌を細長く固くしてまっすぐ出す、を繰り返してみてください。


上手にできると舌の付け根部分が痛くなってきます。これらは滑舌にも良い影響があります。
舌をまっすぐ、平らに出せるようになってきたら、唇周りを舌で舐めてみてください。点の部分を舌先で触るようにしながら、右回りの後は左回り、早く、ゆっくりといろいろ試してください。


早く舐めることは簡単ですが、ゆっくりがとても難しいです。ゆっくり動かしているつもりでも、ゆっくり動かせない部分が出てきます。同じスピードで動かせるようになるまで何回も練習してみてください。
また、塾や習い事が多い、ご両親が厳しいなどのストレスを抱えている子どもたちには歯ぎしりが多くみられます。お子さんの生活を見直すひとつのきっかけかもしれませんね。

[執筆者]

岡井有子先生
こどもと女性の歯科クリニック院長

[プロフィール]
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経たのち、大阪歯科大学に入学。
同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を専攻。一般歯科医院勤務を経て、2017年7月に『こどもと女性の歯科クリニック』を開院。
「顎顔面口腔育成療法」により子どもたちの健康な発育をサポートし、ママへの抱っこや離乳食の講座なども開催している。

[略歴]
京都市内産婦人科勤務
大阪歯科大学 卒業
大阪歯科大学大学院歯学研究科(小児歯科学専攻)修了
大阪歯科大学大学院歯学研究科 非常勤講師

[所属学会]
日本小児歯科学会
日本小児耳鼻咽喉科学会

[所属研究会]
顎顔面口腔育成研究会
赤ちゃん歯科ネットワーク
母子フィジカルサポート研究会

こどもと女性の歯科クリニック
https://cw-cl.jp/

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