ホームステイで見たイギリスのワーママの生活。20年経った今、共感すること。

昔の誰かの言動をある日ふと思い出して、初めて共感したりやっと理解することはありませんか?

小さいころに母が言っていたとか先生に言われた時は分からなかったけど、とか。
あの子のあの発言ってそういうことか!とか。

きっかけは、今自分が在宅勤務という初めての生活スタイルを経験するなかで、
仕事、生活、家族、将来などについて改めて考えるようになったときに、ふと思い出したイギリス人のご夫婦です。

私は大昔に1年ほどイギリスでホームステイをした経験があるのですが、
あの頃とは自分の環境が全く違う今、その全く違う視点でイギリス生活を思い出したら初めてホストマザーに同じワーママとして共感することを見つけました。




 

ブライトンのホストファミリー

ロンドンから電車で南へ1時間ほど下ったところにある、イングランド南東部の海辺の街、ブライトン。
海浜リゾート地なのでパブやカフェ、かわいいお店が並び、観光客がたくさん訪れます。特に夏はクラブやビーチが大盛況でした。
私のホームステイ先は、ビーチから徒歩10分ほどにある、広い公園の前の戸建て(3階建て)でした。
白を基調にし、ピンクや黄色、水色などカラフルな雑貨をポイントにした明るい内装で、子どもたちがじゅうぶん走り回れる裏庭には小さな池とブランコ。
第一印象は「裕福なご家庭なのかな?」でした。

家族構成は、共働きのお父さんとお母さん、10歳の男の子と6歳の女の子の4人家族。
スラリと背が高く、寡黙なお父さん。打ち解けるとジョークを言ったり本をかしてくれたり、なぜか8月15日には一緒に黙祷してくれました。
小柄でイタリア系のお母さん。明るくフレンドリーで、センスが良く部屋の内装が素敵でした。一般的にイギリスの食事は美味しくないと言われているので正直期待していなかったのですが、お母さんの料理は美味しかったので私はラッキーでした。
そして2人の子はとても人懐っこくて、すぐに仲良くなりました。
 

ライフスタイル

ご夫婦の職業はわかりませんが、私が朝食を取る時間には既に全員出かけていて、夕方5時~5時半には家族全員が揃って夕飯を囲む生活でした。
たまに「今日は夜出かける用事があるから夕飯は4時ね。」と、日本ではそれおやつの時間ですぅみたいなことを言われることがありました。
一度連れて行ってもらったことがあるのですが、ドレスアップしてコメディーショーへ出かけたりバーへ出かけたりしていたようです。ご夫婦で出かける時は、学生さんだったりおじさんだったりのベビーシッターさんが来ていました。(知り合いだったのかな?仲がよさそうでした。)

また夏のある日、「家族旅行に行きたいから2週間ほど留守番してもらえる?家は好きに使っていいから♪」という無茶を言われたこともありました。
その家には私の他に外国人が2人住んでいたのですが、彼らはどうやらその2週間家を空けるように言われたようで(どんだけ自由ww)、つまり私一人が留守番を頼まれました。
裏庭の芝に水撒きをして、池の魚に餌をやりながら「なんでやね~ん」とブツブツ言いながらも大きな家で一人暮らしごっこを楽しみました。

今思うとご夫婦ともが夕方には帰宅し、早めの夕飯をすませてゆっくり夜の時間を過ごす、そしてまとまった休みをポンッと取って家族旅行、というライフスタイルは素敵だなぁと思います。
 

ホストマザー

彼女は当時おそらく40代半ばだったと思います。
ホームステイ中は、夕食だけ私たちの分も準備してくれてることになっていたのですが、
5歳の娘ちゃんをプライマリースクールへ迎えに行き、夕飯の準備をして5時には完了。
夕食は必ずファミリー全員でゆっくりした時間を過ごしていました。
おそらく3時には仕事を終えていたのではと思われます。フルタイムなのか、パートタイムだったのか、今となってはそういうところが気になってきます。

彼女はメインの仕事の他に、パーソナルカラーアドバイザーもしていました。
家の1階の(イギリスにしては)日がよく当たる一角をサロンにしていて、お客さんが訪れると大きなドレッサーの前で似合う色を診断し、メイクアップ用品を売っていました。

娘ちゃんは体操教室に通っていたので、週1、2回は送り迎え。
週末には子どもたちとビーチへ行ったり近所のご家庭のチャリティーバザーに参加したり、家に住んでいる外国人の誕生日には必ずケーキとローストチキンを用意してくれたり、夕食前に子どもたちを公園で遊ばせることもよくあり、毎日とても忙しそうでしたが、子どもたちとの時間も取っていたし、夕食を終えてからはのんびりするというメリハリが素晴らしいと思います。

メインの仕事と副業。さらにホストファミリーとして外国人に3部屋を提供。
収入源を分散しているという点も素晴らしいな、見習いたいな、と思います。




 

今やっと共感する、ホストマザーの子育て

まず、日本の家庭では少ないと思うのですが、ダイニングからテレビが見えないことは当時は何とも思わなかったけれど、今はナイスアイディア!と思います。
リビングとダイニングは壁で仕切ってあり、リビングにテレビとソファが置いてあったのですが、夜や週末に子どもたちが長時間その部屋にいた記憶がないので、おそらく見る番組と時間が決められていたのではないかな、と思います。

ある時、なぜホストファミリーをしているのかという話になった時に、「収入ってこともあるけど、外国人と生活を共にすることは子どもたちにとって良い経験だと思うのよ。」と言っていました。ホストファミリーをしていると、短くて2週間から色々な国の人が入れ替わり来て共同生活をします。それによって家族だけで住んでいるよりもずっと、ルール・文化の違い・国民性・防犯など意識して生活することになるのでしょうね。
6歳の娘ちゃんが「○○の国の人は自分の文化を持ち込むから良くないわ。」と言った時は驚きました。

それから、10歳の息子くんについて「セカンダリーは私立に行かせようか検討中なの。友達は大事よ!バカな冗談をした時に一緒になって笑う子がいるから面白いと勘違いするけど、(ちゃんとした子は)誰も笑わないから自分だけが愚かだと気付くでしょう?」と言っていました。それ今は心から「わかる!!」
因みにこの時の"バカな冗談"って、家に遊びに来た友達と息子くんがふざけてスパゲティを頭からかぶって笑っていたよなぁ。当然のことながら、お母さんはキレていましたww
※イギリスでは5歳~小学校(プライマリー)、11歳~16歳(または18歳)は中等教育学校(セカンダリー)へ通うそうです。
 
今はもう連絡を途絶えさせてしまったホストファミリー。
今の私があの家にいたら、と想像するとまた違った面白さがあっただろうな。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事