私は、発達障害児支援士で、自閉症児を子育てしています。
大人も子どもも、「おはよう!「こんにちは!」などと、「あいさつ」をすると気持ちが良いですね!
発達障害などの特性をおもちのお子さんは、その場面に応じたあいさつの言葉を選んだり、言う相手の区別をしたりすることが難しいことがあります。
ここでは、気持ちよく人とあいさつができるようになるために、表を使ったり、ルールを決めたりして自分と相手の心を結んでいけたらなと思います。
あいさつを教える
あいさつは、大きく分けて2つの種類があります。
これができるようになることによって、ほかの人との関わりや、周囲に興味をもつきっかけになることがあります。
・おやすみ
・こんにちは
など、自分も相手も同じ言葉を発するものは、比較的覚えやすいですね。
小3の自閉症の息子は、私が「おはよう」とあいさつをしても、何も返事をしないことが、最近までありました。
しかし、毎日毎日繰り返し「おはよう」と声をかけていくうちに、うまく発音はできませんでしたが、本人なりに、「おはよう」のような言葉を発することができました。
立場で異なるあいさつ
先ほどの同じ言葉によるあいさつは覚えやすいですね。
しかし、立場によって異なるあいさつ=言うセリフが違うものは、覚えることが難しい場合があります。
そんなときに、表を使って提示してみました。
※あいさつをする(表)
表があることによって、わかること。
自分が何を言い、相手がどう返すのかが、わかりやすくなる!
これを玄関に貼って、自分のセリフが何かを覚えていきます。
だんだん慣れてくると、紙をみなくても言えるようになっていきました。
あいさつをする相手の区別の付け方
誰に、どのようなあいさつをするのか、その線引きが難しいことがあります。
そんなときに、図を描いて提示する方法があります。
※あいさつをする(図)
この円は、どんな人にどのようなあいさつをしてよいのか、枠をつくることで、人によって、対応を変えていくことがわかるかなと思います。
円の真ん中は、家族などの親しい人には、「あいさつ」や「あくしゅ」「ハグ」をしてよい。
・お父さん、お母さん
・兄弟
・おじいちゃん、おばあちゃん
2番目の円は、知っている大人や友達には、「あいさつ」「あくしゅ」はよいが、「ハグ」はやめておこう。
・クラスの友達
・担任の先生
・給食室のおばちゃん
・園や学校の警備員さん
・家のお隣りさん
こうして、線引きをしっかり提示することによって、どの人にどんな対応をするのかがよくわかりますね。
まとめ
発達障害のお子さんが、気持ちよく人とコミュニケーションをとれるように2つのことをお話させていただきました。
・場面に応じたあいさつができるよう、あいさつを表で覚える
・誰にどんなあいさつをして良いのか、図で見えるようにする
クレヨンしんちゃんのように「おかえりー」と帰ってくる姿もかわいいですが、場面によって、使いわける練習をしていけるといいなと思います。