前回のお話
突然泣き叫びながら大事な絵本を破るゆみかちゃん、その後、破れてしまった絵本を見てまた泣き出してしまい・・。好きなものを壊しておいて、壊れたら大泣きするゆみかちゃんを見て、自分の娘なのに、どうしたら満足なのか全然わかってあげられない・・と感じるあやこさんは・・
障害児のママは神様に選ばれたと言われて[23]
ある日の買い物帰り、
「あ、そうだ。ゆみかの絵本探さなきゃ」
と書店に立ち寄ったゆみかちゃんとあやこさん、
(ゆみかちゃんにとって、初めての場所は危険地帯!早く買って帰らなきゃ!)
そう思いつつ、絵本コーナーを探すあやこさんの隣で、
「ううっ・・うっ・・」
落ち着かず、今にも泣き出しそうなゆみかちゃん・・
「あの、すみません、『うさぎのおやこ』という絵本はどこでしょうか?」
「え?ああ、ウチ小規模な書店なんで、メジャーなものしか扱ってないんです」
書店員さんにそう言われる横で、
「うあああああああああああああああ!!」
我慢できずに泣き出すゆみかちゃん、
「そうですか・・」
書店員さんにそう答えつつ、泣き叫ぶゆみかちゃんとその場を離れようとするあやこさん、
「チッ、赤ん坊じゃないんだから・・」
と泣き声に不満そうな顔をするお客さんの視線を感じて
(ネットで買うか)
そう思い、
「ゆみか、帰ろう」
と書棚を通り過ぎようとしたところ、
「!」
[書店員おすすめ]のコーナーにあった本に目がいき・・
「ボクがえらんだママ」
「かみさまがあなたをえらんだ」
「ママをみつけた」
ズラリと並ぶタイトルを複雑な気持ちで眺めたあやこさん、
自宅に戻った後、
「えーっと・・『うさぎのおやこ』・・」
ゆみかちゃんの大事な絵本をネットで購入しようと検索していると、
またしても
「ママをみつけた」
「かみさまがあなたをえらんだ」
おすすめの本として表示されたのを見て・・
やっぱり・・これを選ぶ方が『普通』なんだ・・
とあらためて感じるのでした・・。
続きます
植木千尋
ブロブフィッシュ似の主婦です
知的障害を伴う自閉症児を子育て&溺愛中