本当はずっと住むつもりなのにお義母さんとタクヤさんの「2~3年だけだから」という嘘で住み始めた家。耐えきれず出て行ったその家の鍵を返し、新しい家に移った美月さんは、ありもしないお義兄さんとの浮気を疑われてしまいました。そんな中、帰宅した義兄さんもまた「彼女と同棲するから出ていく」と宣言したのです。
嘘から始まる敷地内同居[17]
自分の兄に「どうせこの家にずっといるんだろ?」と、出て行く宣言をされてしまって、タクヤさんは焦りを隠せない様子です。
「だっ・・・だったら」
「俺が!俺が出て行くから兄ちゃんが住めよ!それならいいだろ?」
必死で引きとめようとしますが、
「イヤイヤ・・・彼女にそんなストレスがかかることさせたくないよ。」
と言われてしまいました。
「ストレスって・・・」
タクヤさんは、母親とふたりで相談して建てた家に住むことの何がストレスなのかわからないようです。
「家に勝手に入ったり荷物開けたり・・・全く配慮しない母親に
実家に入り浸る弟がいる家なんてどう考えても来たいわけないだろ・・・?」
美月さんの気持ちを代弁するかのように、サラリと第三者の目から見た状況がタクヤさんに伝えられました。
「そ・・・そんな」
また、疑っていた美月さんとの浮気についてもしっかり弁明してくれました。
「美月ちゃんと出かけていたのは俺が彼女と部屋を見に行くタイミングと同じにしただけで、基本別行動だよ。」
疑いが晴れたところで美月さんも切り出しました。
「では、私もそろそろ失礼します。」
「美月・・・あっ・・・あのさぁ」
これまでの態度とは一変、タクヤさんは美月さんにすがろうとしますが、
「今後のことはまたゆっくり話そう・・・それまでは住んでいるとこは伝えないから。ちゃんと考えてね。」
「まっ・・・」
引きとめようとするタクヤさんを気にもせず、
スタスタ・・・バタンッ
美月さんは、さっさと今の自分の家へ帰ってしまいました。
想定外の展開に、大号泣のタクヤさん。
「母さん・・・俺どうしよう」
そんなタクヤさんの焦りとは別の意味で、お義母さんもまた焦っていました。
「タクヤはこのまま家にいたら?お兄ちゃんも出てっちゃうし・・・お母さんタクヤがいないと寂しいわぁ・・・ね?」
それまでいつもお母さんの味方だったタクヤさんですが、今回は違いました。
「いやだよぉ・・・俺・・・美月がいい」
それからしばらく経って・・・
「美月・・・!」
タクヤさんが美月さんを呼ぶ声が聞こえてきます。
[18完]に続きます。
「嘘から始まる敷地内同居」最終話は明日公開します。
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※ストーリーは体験者の話を元に作成編集したものであり、登場人物や団体名は仮名です。
※実在の人物や団体等とは関係ありません。
[脚本・編集]ママ広場編集部 [作画]dechi