子どもが虫歯になったとき、どんな治療が行われるの?昔は痛いイメージがあったけれど、今は?
そんな疑問について、五反田駅前歯医者院長、大木 烈先生に伺いました。
昔と比べて今の治療は痛くない?
昔:歯医者さんが予約制ではなく行列をつくっていた、数十年前のいわゆる歯医者バブルの時代においては、患者数に対して歯科医師の数が少ないため、歯科医師が1日に診る患者さんの数が現在の数倍でした。
小児の数自体も多く、虫歯の数も多かった時代です。
患者さんが大行列をなしてクリニックに並んでいるような時代では麻酔の注射の前に表面麻酔を塗ることは時間の都合上難しかったといえます。
場合によっては無麻酔での治療も多かったといえます。。また患者さんの負担率も違いました。
現在:小児の数、虫歯の数ともに減少傾向です。
歯科医院が増えすぎたこともあり、1クリニックあたりの患者さんの数も減少しています。
時間的な余裕がある中での診察であれば、表面麻酔をしてから麻酔をしますので、痛みはほぼ無い(歯科医師の腕による)といえます。
しかし神経まで虫歯が進行し、痛みが強い場合にはそもそも麻酔が効きにくいので、その場合は痛みがあっても仕方ないと思います。
今も銀歯を入れることはあるの?
銀歯は今でも入れます。
虫歯が大きく多くの歯を削った場合、現在の保険の適応では、銀歯一択になります。
狭い範囲であればレジン(プラスチック)での修復が可能です。
広い範囲の虫歯をレジンで修復しようとすると材質の都合上、銀歯よりも虫歯になりやすい状態になる場合もあります。
レジンは保険適応ですし、CAD CAM(キャドカム/ハイブリットレジンと呼ばれるセラミックとプラスチックを合わせた白い素材)というものも最近は保険の適応となりました。
ただ乳歯には保険では使えず、永久歯限定です。
またCAD CAMの適応は手前から数えて6本目までです。(1番奥の7本目の歯が全て生えていて、それらがうまく噛み合っていることが条件です。それがなされていなければ、5番目までしか保険適応になりません)
レジンやCAD CAMにはものすごく吸水性があり、かなり虫歯が再発しやくすく、変色、口臭などの問題が起こりやすいといえます。
とはいえ銀歯でのアレルギーなども心配かと思います。
海外では銀歯を小児に入れのは禁止されている国もあるほどです。
ちなみに、銀歯が禁止されている国での治療方法(使用素材)としては、セラミック、ジルコニア、ゴールド(銀歯よりはアレルギーが少ない)、レジン(セラミック系よりはるかに虫歯にはなりやすい)などがあります。
銀歯には良くない特徴が3つあります。
(1)金属アレルギー
(2)噛み合わせるうちにゆがむ
(3)さびる
です。
(1)アレルギーの原因になります。
(2)と(3)は虫歯の再発を起こします。
上記のデメリットを無くしたものがセラミック(保険適応外)になります。
セラミックには割れやすい、歯を金属より多く削るなどのデメリットを言う人もいますが、それらを含めても銀歯を入れるよりはいいと考えます。
そもそも虫歯で大きな穴が空いて金属かセラミックを詰めないといけないくらい削っているということは、削る量には大差はありませんし、割れるか割れないかも、現代ではセラミックも強度の高いものもあります。
やっぱり大切なのは歯磨き!
ともあれ、まずは虫歯ができないように、お子さんが嫌がっても「食べたら磨く」を徹底してください。
特に間食をする時間などには注意が必要です。
お子さんの虫歯の原因は親にあります。
フッ素なども虫歯予防には有効ですが、しっかりとした食事、間食の管理、適切なブラッシングをした上で、フッ素は初めて効果を発揮します。
お子さんの歯に銀歯を入れる事にならないように、まずはクリニックにすぐに相談に行きましょう!!
[執筆者]
大木烈 先生
五反田駅前歯医者院長
[プロフィール]
1983年、長野県出身。2007年、昭和大学歯学部卒業後、昭和大学臨床研修医。
2008年4月医療法人社団創生会トミヤマ歯科クリニック勤務。2009年から医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックで勤務。
2020年12月1日、五反田駅前歯医者開院。医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニック理事長。
厚生労働省認定臨床研修医指導医。国際インプラント学会専門医。米インディアナ大学インプラント科客員講師。
米インディアナ大学歯科矯正科認定医。米インディアナ大学医学部解剖学認定医。日本歯科補綴学会認定医。歯学博士。
「町の人から親しんで呼んでもらいたい」という思いのもと名前を付けた「五反田駅前歯医者」で、患者様の痛みに寄り添った治療をするために日々研鑽を続けている。
五反田駅前歯医者ホームページ
https://gotanda-dc.jp/