子どもの歯肉炎が心配。そんな時はどうしたらいい?何かできることはある?
今回は株式会社ToothToothの歯科医師であり、Instagramで、ママ目線でお口の中に関する役立つ情報を発信している藤本侑里先生(@mama_haishasan)にお伺いしました。
歯肉炎について教えてください!
歯肉炎の原因はさまざまですが、歯ぐきに炎症が起きている状態のことを歯肉炎と呼びます。
症状として、歯ぐきが赤く腫れていたり、出血が見られます。痛みが出ることはごく稀です。
原因は歯垢(プラーク)がほとんどですが、歯垢以外にも、口呼吸、思春期のホルモンバランスの影響、糖尿病や白血病が原因となる場合もあります。
歯肉炎の原因が歯垢の場合、適切なブラッシングを行うことにより、1週間程度で治癒します。
自分ではキレイに磨けているつもりでも、磨けていない部位があることがあります。自己流の歯みがきを改善するためにも、歯科衛生士さんに歯みがき指導をしてもらいましょう。
特に、仕上げみがきを離れる小学校高学年のお子さんが正しい歯みがきの方法を習得することは、とても大切です。正しい歯みがきで、歯肉炎だけでなくむし歯も予防することができます。
歯肉炎の原因が口呼吸だった場合は?
歯肉炎の原因が口呼吸の場合、口呼吸を改善するためにお口周りの筋肉を鍛えましょう。
口呼吸をしていると、歯肉炎以外にもアレルギーや風邪を引きやすくなったり、歯並びが悪くなったりと良くない事ばかりが引き起こされます。お子さんが無意識にお口をポカンと開けている場合、要注意です。お口周りの筋肉を鍛える方法として、福岡市みらいクリニックの内科医である今井一彰先生が考案したあいうべ体操や吹き戻しを使った訓練などがあります。ぜひ活用してみてください。
また、思春期のホルモンバランスの影響でも、歯肉炎は引き起こされます。歯間部の赤みや腫れを特徴とします。こちらも、適切なブラッシングで口腔清掃を徹底する事で、症状は改善されます。
歯肉炎の状態で仕上げみがきをしても痛むことはありません。痛みが出やすい場所に歯ブラシの先が当たっているか、磨く力が強い可能性があります。上唇小帯と呼ばれる上唇と前歯の間のヒダに歯ブラシの先が当たると痛みます。
また、歯ブラシのブラッシング圧は150g~200gです。指の爪に歯ブラシを当ててみて、ほんのり白くなるくらいが目安です。
歯肉炎かも?そんなときは受診した方がいいですか?
受診を迷うときは是非受診しましょう。全身疾患が原因で歯肉炎が引き起こされる場合もあります。歯肉炎を未然に防ぐためにも、仕上げみがきを卒業する前から歯科衛生士のブラッシング指導を受けましょう。
前述したように、適切なブラッシングの習得は一生の財産です。歯肉炎を予防できている状態=むし歯になりにくい環境ともいえます。自ら進んで歯科受診をするお子さんは少ないと思います。3ヶ月に1回の定期健診を習慣化し、保護者の方が歯科受診を促してあげましょう。
[執筆者]
藤本侑里 先生
[プロフィール]
歯科医師として治療を行う傍ら、二児の母として日々奮闘中です。
岡山大学歯学部を卒業後、大阪歯科大学にて臨床研修し大阪府内の歯科医院にて勤務。日本歯科保存学会所属 認定医。
日本小児歯科学会所属。現在は、兵庫県内の歯科医院で歯科治療を行いながら、(株)ToothToothにてSNS発信や商品開発に携わっています。YouTubeでは年齢別の仕上げみがきの方法、弊社のはみがきうさぎというキャラクターの歌やダンスなど、小さなお子様のいるご家庭の皆様に喜んでいただけるコンテンツを用意しています。
Instagram:@mama_haishasan