[後編]幼児の英語教育の意外な落とし穴「幼少期の英語教育だけではダメな理由」子ども英語講師の吉留さんに伺いました!

[前編]

小さい頃から英語教育をしているから、ウチの子は大丈夫!となっていませんか?幼児の英語教育の意外な落とし穴について、株式会社ブルーフレイム 子ども英語講師・カリキュラムコーディネーターの吉留明子さんに二回に分けてお伺いしました。

英語は「自然」には身に付きません?!

多くの保護者は、英語オンリーの環境に身をおけば「自然に」英語が身に付くことをメリットとされますが、幼稚園の3年間で中学校2、3年生程度の英語力が「自然に」身に付くことは、ありません。

この幼稚園では、英語を第二言語として身に付けるための効果的なカリキュラムが組まれ、子どもたちは毎日午前中10時から11時半までの90分間、テキストブックや絵本を使って英語のお勉強をしていました。そして、年齢によってワークブック・絵本を持ち帰り読む練習をしてくるという宿題も出されます。

良い比較対象として、隣の市に、もうひとつ英語保育の幼稚園がありました。
そちらは「ネイティブ講師とのびのびと遊びながら英語を身に付ける」というのがコンセプトの園でした。

ところが、こちらではお子さんが英語慣れして、園での生活は送れるものの、いざ英検テスト、となると思ったほど結果には出てこない、という状態でした。

これはのびのびがいいのか詰め込みがいいのか?ということではなく、保護者が子どもにどの程度の英語力を身につけさせたいかが重要となります。

ネイティヴ講師とのびのび楽しく過ごしながら多少でも英語に親しんでくれれば良いと考えるか、思考力と学力を伴った英語力を身に付けさせたいと考えているのか。
これはお子さんではなく、保護者がお子さんのために考えてあげること、決めてあげることです。

幼少期の英語教育だけではダメなんです!

そして、もうひとつのメリットとして誤解されている「幼少期に英語を身に付けておいたら後が楽だろう。」についてお話します。

確かに英語オンリーを徹底され、毎日効果的に英語を身に付けられる環境で、子どもたちはいわゆるペラペラ、そして語彙や文法というところでは英検3級程度の英語力(中学2・3年生レベルの英語力)を手に入れます。

しかし、卒園後、公立の小学校に通い始めると、英語がペラペラだった子どもたちはびっくりするほど急激に英語を忘れていきます。

「小学生になったのだから、もうひとりでできるだろう。」と子ども任せになったり、学校の宿題や数々の習い事で忙しくなったり、「うちの子はペラペラなんだから大丈夫。」と親御さんが安心しきってしまった結果こうなってしまいます。

これまでお話してきたことは、あくまでも、たくさんある英語保育の中のひとつである幼稚園で講師をした経験からの私を元にお話しました。のびのび英語保育のところもあるでしょうし、多国籍な子どもたちが集うインターナショナル幼稚園では、また違ったそれぞれのメリット・注意点があると思います。

どこを選んだら良いのか、どのような英語教育がよいのか、本当に多様で迷ってしまいますよね。

ただ、一番大切なのは、英語学習は継続的に行うことです。小学校に入ってからも学校に任せず、子どもに任せず、保護者が英語学習をフォローすること、英語学習を継続できる環境を整えてあげること。それが何よりも大切なこととなります。それを念頭にお子さまの早期英語学習と向き合っていただければ幸いです。

[執筆者]

吉留明子
子ども英語講師・カリキュラムコーディネーター

[プロフィール]
テレビ朝日朝系民放局ディレクター、NHK鹿児島放送局でのキャスターから司会業で独立。その後オーストラリア、シンガポールへ移住。
バイリンガル幼稚園10年、小学校外国語活動12年間での合計授業時間は1万時間以上、2000人以上の子どもたちの英語指導にあたる。
2019年 英語コーチとして独立。
現在はカリキュラムコーディネーターと講師を務める。海外での英語教授法・教育の知識とノートメソッドを融合させた指導で、お子さんは、読む・聞く・話す(高学年は「書く」も)の4技能をバランス良く習得。英語だけでなく、学習習慣・親子のメンタルも整うと信頼を得ている。
また、ユニークな教育方針で、娘は全く苦労しないで日本語・英語・中国語のトライリンガルに。

株式会社ブルーフレイム

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