虫食いがある手作り野菜に拒否反応

同居している長男誠一は、のんびり屋で優しい性格。まゆみちゃんと波長が合うのが良くわかります。次男修二は小さい頃から勉強が良くできて自信家です。正反対の性格の2人は、親の私が言うのもなんですが、昔からあまり仲は良くありません。修二がこんな田舎にとどまるはずはなく、有名な外資系企業に就職してからはバリバリ働いて忙しいようで、こちらに帰ってくることはめったにありませんでした。急に夫婦そろって帰ってくるなんて何しに来たのかしら。

夕飯を食べていくことになった修二と恵理子さんは、さっそくテーブルに着きました。修二は「いいね肉じゃが」と嬉しそうにしてくれたので作ってよかったと私も嬉しくなりました。でも「平均的な日本の晩ごはんって感じ、久しぶりです」と笑顔でサラリと言い放った恵理子さんのことばを聞いて「えっ」と耳を疑いました。恵理子さんの顔を思わず見てしまいましたが、全く悪気の無い様子でニコニコしています。

恵理子さんは思ったことを何でも正直に言ってしまうみたい。悪気は全くないようで、夫が作ったキャベツを使った漬物を「美味しい」と言って食べてくれました。夫は自慢の野菜を褒められて「私が育てて収穫したキャベツなんだ」と得意げです。すると恵理子さんの顔色がみるみる変わりました。「えっ、それって大丈夫なんですか?きゃっ、ここ、虫食いの跡がっ」と箸を止めたのです。

虫食いがある野菜なんて当たり前のものとして毎日食べている私たちはきょとんとしてしまいました。食べても問題ないという意味で「哲夫のとこは少ない農薬で育ててるから、虫も食べるんだ」と、夫はむしろ良い野菜なのだという気持ちを込めて言いましたが、恵理子さんには通じなかったようで、「私、虫がついたものなんて食べられません!」と険しい顔になった恵理子さんは、とうとう箸を置いてしまいました。

恵理子さんはいったい何をムキになっているんだ?とでも言いたげに、夫も誠一も「青虫が食った跡なんて何の害も無い」「洗ってあるし平気だよ」と口々に言いましたが、恵理子さんはそれ以上何も食べようとはしませんでした。昔から近所の畑で採れた野菜を食べていた修二が何か言ってよと思いましたが、恵理子さんの様子を見ていた修二は私たちの予想に反して「田舎育ちの俺らと恵理子を一緒にするなよ」と機嫌を悪くし始め、さらに「恵理子は繊細なんだから、もうちょっと気を遣って」とまで言われてしまいました。呼んだわけでもないのに突然夕飯時に来たのはそっちゃじゃないと、さすがにイラっとしてしまいました。
農薬が少ないならむしろたくさん食べたい野菜なのに、慣れていない恵理子さんには難しいのでしょうか。いや、恵理子さんが難しい人に感じてしまいますよね。突然訪問でも夕飯を振る舞ってくれた家族に「気を遣って」ではなく、修二さんは感謝すべきかと思います。
※ストーリーは実話を元にしたフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:めめ
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何しに来たのって言えば良いじゃん。
出されたものにケチつけるなんて、あまり良いお育ちはしていないのねって言ってやれ。
ぶぶ漬け出して
箒を逆さに立て掛けとけ