デートで送別会を欠席した新入社員からのクレームに耳を疑う

斎藤顧問の送別会が終盤に差し掛かった頃、「斎藤さん!間に合って良かった!」と言いながら急ぎ足で会場にやってきたのは、営業部の村岡部長と妹尾さんでした。営業部のホープ妹尾さんの登場に周りの女性社員が色めきだちました。

村岡部長と妹尾さんが口々に感謝を伝えると、斎藤顧問は「村岡君、いい営業になりましたね。今後も更なる活躍を祈ってますね」、「妹尾さん、営業は大変だと思うけど、頑張って」とそれぞれに激励の言葉をかけました。昔の思い出がよみがえったのか感極まって涙ぐむ村岡部長を見て、二人がとても良い関係だったことが伝わってきました。その時、テーブルに置かれていた色紙に妹尾さんが気づき手に取りました。

妹尾さんが5枚の色紙を順に見ながら「似顔絵が書いてあるのもあるんですね」と言うと、「いいでしょう」とニコニコしながら斎藤顧問が言いました。斎藤顧問が喜んでくれているのが伝わり、私も嬉しくなりました。さらに「すごいね。木村さんの気持ちがこもっているのが分かります」と妹尾さんが言ってくれ、斎藤顧問への感謝の気持ちを込めて頑張って準備して良かったと思いました。

翌日。出社した私は昨日の楽しかった送別会のことを思い出しながら、パソコンで送別会の写真を整理しつつ社内広報用の写真をピックアップしていました。すると、そこへ足立さんが「木村先輩、ちょっと聞きたいんですけどぉ」と言いながらやってきました。

私のデスクまで来た足立さんはパソコン画面に表示されている写真に気付き「これ昨日の写真ですかぁ?」と聞いて来るや否や、「あっ!!!」と大きな声を出しました。足立さんはずいっと画面を覗き込むと「村岡さんと妹尾さんも来てたんですか?!」と驚きの声をあげました。送別会の写真に2人が映っているのを見つけた足立さんは「2人がくるんだったら、ユナも行きたかったのにぃ。黙ってるなんてひどいです!!」となぜか怒り始めました。私はなぜ自分が「ひどい」と責められるのかわからず唖然としてしまいました。
お世話になった斎藤顧問の送別会が温かく素敵なものになり、幹事のハルさんは安堵と充実感でいっぱいになったでしょうね。しかしそんな余韻に浸る間もなく、なぜか足立さんに責められてしまうハルさん。彼氏とのデートがあるからと送別会を欠席したはずの足立さんが「2人が来るなら行きたかった」と文句を言うのはちょっと納得できませんね。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
脚本・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く4児の母。