会社顧問の送別会は彼氏とのデートで不参加の新入社員


私は木村ハル。入社して経理部所属になり、今年で3年目になります。
ある日、部署の先輩ともかさんに呼ばれました。ともか先輩はさっぱりした性格で、仕事はキッチリ、でも話しやすくて頼りになる女性です。そんなともか先輩のご指名で、再来月退任される斎藤顧問の送別会の幹事という大役を任されることになりました。しかも、お祝い品選びまで!

「はい!」と返事をしましたが、内心では初の幹事に緊張していました。でも、斎藤顧問には経理部長でいらっしゃった頃から本当にお世話になったから、素敵な会にしなくちゃ、という気持ちの方が大きい私。

私はまず経理部の参加人数を確認しました。今年入社した足立ユナちゃん以外は全員出席。そこへちょうど足立さんが部署に戻ってきたので声をかけました。「足立さん。送別会の出欠確認してもいい?経理部は今のところみんな参加なんだけど。」

足立さんはニッコリ笑って「ごめんなさぁーい。私、バツでお願いしまぁす。」と甘い声で言いました。経理部の顧問なので、全員出席して欲しいんだけどな。「そっか。予定あった?」と聞くと、嬉しそうに「その日、彼ピッピとデートなんで」とサラリと言ったので私は固まってしまいました。か、かれぴっぴ!?経理部の顧問の送別会なのに、デートって言えちゃう!?

内心では驚いたというか、引いてしまったけれど、努めて冷静に「も予定をずらせるなら参加できないかな?お世話になってたし。」と言ってみましたが、足立さんは「えー?飲み会って、参加強制なんですかぁ?」と不満そうです。いや、飲み会じゃなくて、送別会ね。「ううん、強制ではないんだけど」と言う私の言葉にかぶせるように「じゃあ、いいですよねっ」とだけ言うと、足立さんは逃げるように行ってしまいました。
足立さんのように、仕事とプライベートは完全に分けたい、会社の業務時間外は強制されたくない、強制残業のように考える人も増えてはいますよね。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
脚本・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く4児の母。