[職業紹介]子どもの進路についてAPOLLO BEAUTY CLINIC院長の鬼沢先生にお伺いしました。

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3.決定した進路の先にある未来のイメージが明確であればあるほどモチベーションは高まる

またまた私の話で恐縮ですが、私が幸運だったのは、志した医師という職業が比較的イメージしやすい職種であり、そうであったが故にモチベーションを維持できたということです。

「医者ってどんなことするの?」と考えたときに、仮に医師でない方でも仕事内容は容易に想像がつくでしょう(たくさんの医者モノのドラマを目にしたことがありますよね、現実はあんなふうにはいきませんが)。私は医師になった時の自分の人生像をある程度想像できたからこそ、それに向かって努力するモチベーションが保てたのだと思います。


もしこれが全く想像もつかないものだったとしたら、「本当にこれを目指すのが幸せなことだろうか?」と、きっと何かしらの言い訳をして諦めていたような気がします。

どんな進路であっても、(例外を除き)その進路を辿った先人達がいます。その先人達がどのような生活をし、どのように社会貢献しているかを知り、それを将来の自分に当てはめて想像してみることはとてもワクワクすることで、大きなモチベーションに繋がるはずです。

余談ではありますが、私が尊敬するサッカー選手が小学校の卒業文集に書いた文章があまりにも衝撃的でした。何が衝撃的かというと、その内容が極めて明確かつ具体的なのです。

将来サッカー選手になるという目標はもちろん、今の実力は世界に遠く及ばないという現状、いずれイタリアのクラブチームと契約するということ、その時の背番号は10番であるということ、契約金が40億円であるということ(凄い!)、スポーツウェアメーカーとスポンサー契約し、自身のモデルを世界中で売るということ、将来ワールドカップでブラジルを破って優勝するということ、その時のスコアは2-1であるということ。

たった12歳のサッカー少年がここまで具体的に数値化して将来の夢(というか目標)を定めており、そこには感情論が無く、そのどれもが実現可能な数値であるということに強い衝撃を受けました。

たった数百字の文章でこれらを綴っていることにも合理性を感じざるを得ません。さらに驚きなのは、彼はここに書いた目標をほとんど達成しているという点です(契約したメーカーが異なるのと、まだブラジルとのワールドカップ決勝戦はお預けとなっていますが)。いったいご両親やサッカー指導者の方はどのような教育をしていたのでしょうか!?

10代前半の若者にここまで明確な未来をイメージさせることはなかなか難しい側面もあります。また、荒唐無稽な将来をイメージする若者も中にはいます。これを手助けし、修正してあげるのが大人の力だと私は考えます。学校や家庭において、これからの進路を考えている若者達に将来をイメージさせてあげる教育は重要です。


一夕一朝でこの教育ができることなど不可能です。ここには大人と子どもの長い時間をかけた対話が必要になりますが、私は中高生の頃、親や担任教師等の大人達と対話することがほとんどなかったと振り返っています(実際には話す機会なんてきっと山ほどあったのに、それを突っぱねていた若く愚かな自分であったことも否定できません)。これは私にとって大きなマイナスであったと今になって後悔しています。

これから進路を考える中高生の親御さんや教師の方がもしこの文章を読んでいただけているのであれば(本当に偉そうなことを言って申し訳ありませんが)長い時間をかけて対話をしてあげてほしいと願っています。

そしてどうかこれから進路を決める中高生が、明確な未来のイメージを持って進路を決定できることを心から願っています。

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