サッちゃんには知られたくなかったのに。配慮のない夫のせいで傷つく娘

「贈ったもの送り返すってひどくない?」帰宅した途端、ショウタに責められた私。「違う名前の入ったものを送ってくる方がもっとひどい」と言い返した後、「正直もうショウタと離婚したい」と切り出すと、ショウタは唖然。「サッちゃんのことを考えて離婚はしない。夫婦を演じるだけってこと」と言い放つと「ちゃんと話し合おう・・!」と今更ながらの言葉に呆れた私は、子どもたちのためだけに、ショウタと暮らしていくことを決めたのでした。
それから数年後のこと。
「学校の宿題でね。私の名前の由来を調べるんだって~。私にどうしてサチコってつけたの~?」そうたずねるサッちゃんに、「サッちゃんの名前はおばあちゃんが決めたんだよ」と平然と答えるショウタ。

「ふ~ん。おばあちゃんが?じゃ、エイタの名前もおばあちゃんが決めたの?」サッちゃんの言葉に「エイタはママが決めたんだよ」とショウタが答えると、「あ・・そうなんだ・・」と落ち込んでしまったサッちゃんに、

「ねぇサッちゃん、産まれた時のもの全部取ってあるから一緒にみようか」と聞くと、「うん!」と元気に答えるサッちゃん。「よいしょ、この箱の中にあるんだけど・・」と箱を取り出すと、「おっ、懐かしいな~。ほら、これがサッちゃんだよ」と私から箱を取り上げたショウタが、サッちゃんに写真を見せようとし、

「ちょっ・・ちょっと待って」と声をかけるのも遅く、「ねえ、『ナナちゃん』ってだれ?」とネームタグを見つけてたずねました。それを見て、思わず「あ・・」と呟く私。

すると、「あ~『ナナちゃん』!懐かしいな~。これはね、ママがサッちゃんにつけてた名前だよ」ショウタが笑いながらそう言うと、「え?私は最初『ナナちゃん』だったの?ママは『ナナちゃん』ってつけたかったの?」と動揺した表情でたずねるサッちゃんに、「ん?そうそう」と何も考えずにショウタが答えたのでした。
大きくなったサッちゃんが、学校の宿題で名前の由来を調べることに。本来であれば、両親揃って名前への想いを伝える時だと思うのですが・・ナエさんにとっての苦しい思い出を知って、サッちゃんが傷つかないことを願うばかりですよね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。