[34]兄嫁が嫌い|一人きりで迎えた陣痛。痛みと不安の中で思い出す元夫の優しさ

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前回のお話

スズさんの兄タカシさんは13歳年下のキラキラ女子きみこさんにベタ惚れし結婚、その後長女の妃ちゃんが生まれましたが、自分優先のきみこさんは妃ちゃんに無関心でした。タカシさんは妃ちゃんを連れて実家に帰り別居生活が1年ほど続きましたが、その間にきみこさんは別の男性と浮気し妊娠。離婚が成立し、彼との楽しい新生活を夢見ていたきみこさんでしたが、タカシさんのお金が使えなくなったきみこさんに彼はどんどん冷たくなっていき「お前とは結婚できねーわ」と言い、しばらくすると新しい恋人を作って出ていってしまいました。何もかも失ったきみこさんは、タカシさんが送ってくれた妃ちゃんの入園式の写真を見て「妃・・タカシ・・本当にごめん。私、最低なママだった」と自分の愚かさを深く後悔しました。自分の蒔いた種で誰にも頼れなくなったきみこさんは、自分がしっかりするしかないと心を奮い立たせると長かった髪を自分でバッサリ切り、大きなお腹を撫でながら「ママ頑張るね」と決意を口にしました。きみこさんは老夫婦が営む洋食レストランのアルバイトに応募。オーナー夫婦はきみこさんの事情を聞いた上で雇ってくれ、食費が大変だろうからとまかないもつけてくれました。きみこさんは優しいオーナー夫婦や常連さんに可愛がられながらアルバイトにも慣れていき、楽しく働き始めました。

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一人で迎えた陣痛中に思い出すのは元夫の優しさ

きみこが洋食レストランで働き始めてしばらく経ったある日、仕事を終えて家に帰ったきみこはいつものように誰もいない部屋に「ただいまー」と言って入ると、

「今日も疲れたね」と大きなお腹を撫でながら話しかけました。そのとき、突然ズキッとお腹に痛みが走りました。

あまりの痛みに座り込みながら「陣痛・・じゃないよね?予定日より早いのに・・いっ・・痛い・・。妃の時ってどうしてたっけ?」とパニックになるきみこ。

きみこは痛みの中で妃の出産の時のことを思い出しました。初めての陣痛で不安だったきみこに「大丈夫だからね」「俺がついてるから!」と声をかけ安心させてくれたり、「車乗って」と気遣ってくれたり、「姫、がんばれ!!」と励ましてくれたり・・きみこの隣にはいつも兄がいました。

当たり前だと思っていた兄の愛情。それを手放したのは自分。きみこは改めて兄の存在がいかに大きかったかを痛感しました。「ずっと・・」

「タカシがいてくれたんだ」痛みと不安の中、きみこは無意識に兄に電話をかけていました。

予定日よりも早く陣痛がきたかもしれないきみこさん。妃ちゃんの出産のときはタカシさんが優しく支えてくれていましたが、今は自分しかいません。ここでもきみこさんはタカシさんがいかに自分を愛してくれていたのかを思い知ったのですね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:dechi

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