一人で迎えた陣痛中に思い出すのは元夫の優しさ

きみこが洋食レストランで働き始めてしばらく経ったある日、仕事を終えて家に帰ったきみこはいつものように誰もいない部屋に「ただいまー」と言って入ると、

「今日も疲れたね」と大きなお腹を撫でながら話しかけました。そのとき、突然ズキッとお腹に痛みが走りました。

あまりの痛みに座り込みながら「陣痛・・じゃないよね?予定日より早いのに・・いっ・・痛い・・。妃の時ってどうしてたっけ?」とパニックになるきみこ。

きみこは痛みの中で妃の出産の時のことを思い出しました。初めての陣痛で不安だったきみこに「大丈夫だからね」「俺がついてるから!」と声をかけ安心させてくれたり、「車乗って」と気遣ってくれたり、「姫、がんばれ!!」と励ましてくれたり・・きみこの隣にはいつも兄がいました。

当たり前だと思っていた兄の愛情。それを手放したのは自分。きみこは改めて兄の存在がいかに大きかったかを痛感しました。「ずっと・・」

「タカシがいてくれたんだ」痛みと不安の中、きみこは無意識に兄に電話をかけていました。
予定日よりも早く陣痛がきたかもしれないきみこさん。妃ちゃんの出産のときはタカシさんが優しく支えてくれていましたが、今は自分しかいません。ここでもきみこさんはタカシさんがいかに自分を愛してくれていたのかを思い知ったのですね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:dechi