「ママ頑張るね」お腹の子を守れるのは自分しかいない

兄と離婚が成立し、不倫相手だったあっくんと結婚できると浮かれていたきみこでしたが、現実は思い通りには行きませんでした。働かないあっくんのために兄に買ってもらったブランド品の数々を売って生活費に充てていましたがとうとうお金が底をつき、あっくんに少しは家にお金を入れて欲しいと頼むと、そもそも遊んで暮らせることが理由できみこと一緒にいたあっくんなので、おかねのないきみこを疎ましく思ったようです。兄を騙して自分と付き合っていたきみこのお腹の子が本当に自分の子なのか疑わしい、信用できないと言って離れて行ってしまいました。
全てを失い自分の愚かさを深く悔やんだきみこは、おもむろにハサミを手に取ると自分の長い髪を掴み、躊躇なくジョキッと切り落としました。

キレイなロングヘアをバッサリ切ったきみこは、お腹を撫でながら「ママ頑張るね」と呟きました。その顔には、何としてもお腹の子を守るという決意が滲んでいました。

その後、きみこは明るかった髪色を暗く染め直しました。ホールスタッフを募集する洋食レストランの張り紙を見たきみこが「すみません!」とお店に入ると、高齢の女性が笑顔で出迎えてくれました。

出迎えてくれたのは店長の妻、さやさんでした。2人はきみこのお腹を見て「あら、もしかして・・」と妊娠に気付き、きみこは事情を説明。断られるかと思ったものの、「大丈夫、大丈夫!」と優しく言ってくれきみこを雇ってくれました。

優しい夫婦のおかげできみこはお店にもすぐ慣れ、常連さんにも可愛がってもらえました。

そして店長夫婦は、きみこが食費が大変だろうからとまかないまでつけてくれました。「きみちゃんどうぞ~。しっかり食べてね!」と、できたてのオムライスを出してもらったきみこは「店長、さやさん、ありがとうございます!」と2人に心から感謝しました。
もう誰にも頼れないとわかったきみこさんは、自分がしっかりするしかないと強く決意。心を入れ替えたきみこさんは長かった髪をバッサリ切り、大きなお腹で働き始めました。雇ってくれたご夫婦が優しい方たちで本当によかったです。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:dechi