[33]兄嫁が嫌い|人の優しさが身に沁みる「ママ頑張るね」お腹の子のために心を入れ替えた未婚の母

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前回のお話

スズさんの兄タカシさんは13歳年下のキラキラ女子きみこさんにベタ惚れし結婚、その後長女の妃ちゃんが生まれましたが、自分優先のきみこさんは妃ちゃんに無関心でした。タカシさんは妃ちゃんを連れて実家に帰り別居生活が1年ほど続きましたが、その間にきみこさんは別の男性と浮気し妊娠。離婚が成立し、きみこさんは彼との新しい生活に胸を躍らせていましたが、きみこさんにお金が無くなると優しかった彼の態度が一変。お腹の子が自分の子なのかと疑い出した彼は「自分のダンナを騙して生活してた奴のことなんて、信用できねー」「お前とは結婚できねーわ」と言いました。しばらくして彼は新しい恋人を作り家を出ていってしまい、きみこさんはお腹の子と2人きりになってしまいました。何もかも失ったきみこさんが喪失感に苛まれていると、タカシさんから妃ちゃんの入園式の写真が送られてきました。離婚時に「もう写真は送らない」と言っていたタカシさんから届いた成長した妃ちゃんの写真を見ながら、きみこさんは「妃・・タカシ・・本当にごめん。私、最低なママだった」と深く深く後悔しました。

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「ママ頑張るね」お腹の子を守れるのは自分しかいない

兄と離婚が成立し、不倫相手だったあっくんと結婚できると浮かれていたきみこでしたが、現実は思い通りには行きませんでした。働かないあっくんのために兄に買ってもらったブランド品の数々を売って生活費に充てていましたがとうとうお金が底をつき、あっくんに少しは家にお金を入れて欲しいと頼むと、そもそも遊んで暮らせることが理由できみこと一緒にいたあっくんなので、おかねのないきみこを疎ましく思ったようです。兄を騙して自分と付き合っていたきみこのお腹の子が本当に自分の子なのか疑わしい、信用できないと言って離れて行ってしまいました。

全てを失い自分の愚かさを深く悔やんだきみこは、おもむろにハサミを手に取ると自分の長い髪を掴み、躊躇なくジョキッと切り落としました。

キレイなロングヘアをバッサリ切ったきみこは、お腹を撫でながら「ママ頑張るね」と呟きました。その顔には、何としてもお腹の子を守るという決意が滲んでいました。

その後、きみこは明るかった髪色を暗く染め直しました。ホールスタッフを募集する洋食レストランの張り紙を見たきみこが「すみません!」とお店に入ると、高齢の女性が笑顔で出迎えてくれました。

出迎えてくれたのは店長の妻、さやさんでした。2人はきみこのお腹を見て「あら、もしかして・・」と妊娠に気付き、きみこは事情を説明。断られるかと思ったものの、「大丈夫、大丈夫!」と優しく言ってくれきみこを雇ってくれました。

優しい夫婦のおかげできみこはお店にもすぐ慣れ、常連さんにも可愛がってもらえました。

そして店長夫婦は、きみこが食費が大変だろうからとまかないまでつけてくれました。「きみちゃんどうぞ~。しっかり食べてね!」と、できたてのオムライスを出してもらったきみこは「店長、さやさん、ありがとうございます!」と2人に心から感謝しました。

もう誰にも頼れないとわかったきみこさんは、自分がしっかりするしかないと強く決意。心を入れ替えたきみこさんは長かった髪をバッサリ切り、大きなお腹で働き始めました。雇ってくれたご夫婦が優しい方たちで本当によかったです。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:dechi

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