妻は2番目に好きな人[110]

家を出て会社へ向かうろみ緒さんの頭の中は「どうしたら俺は許してもらえる?何をすれば?」ということでいっぱい。そのとき「お父さん」と娘のあかりちゃんの声がしました。

振り向くと、登校途中のあかりちゃんと付き添いのめいさんがいました。あかりちゃんは「おっす!いっちょ小学校行ってくるわ」と元気に言い「お仕事行ってら~」とろみ緒さんに手を振ります。

家族を失う寸前のろみ緒さんは、あかりちゃんと挨拶を交わせるだけでも幸せを感じます。「うん!!!行ってきまぁぁすっ!行ってらっしゃぁぁい!!!」と周囲の目も気にせず大きな声で叫びました。

会社に着いたろみ緒さんは、「とにかく俺はジュリ実との接触を避け続けるしかないッッ」と気を引き締めます。その時、スマホにメッセージが届きました。

「公正役場に問い合わせ完了しました」というめいさんからの報告メッセージでした。ろみ緒さんがメッセージを確認していると、ちょうど電話がかかってきました。

電話は未登録の相手からでした。「誰だ?!まさか」とジュリ実さんの顔がよぎるろみ緒さん。

しかし、数日前にも同じ状況で焦ったものの番号を変えた義母からの電話だったこともあり、「いやいや、この前もそう思って違っただろ」と思いろみ緒さんは電話に出ました。すると、電話口から聞こえてきたのは「ろみくぅ?」という聞き覚えのある声でした。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
[作者]岡田ももえ
自身や知人の実話体験談をブログとSNSで投稿しています!!
[編集コメント]ママ広場編集部
ろみ緒さんがどれだけ固い決意をしてもこうなってしまうのですね。