慌てて防犯ブザーを押して追い払う

社内に私と義博さんとの関係に気付いている人はおらず、これまでと変わらず仕事を続けることができました。申し訳なくなることもありますが、今は仕事で返していきたい、と考えています。その日の晩、栄子さんに社内の顛末を連絡するのと同時に、今回の処分について聞きますがはぐらかされます。栄子さんも離婚は最終段階に入ったそうですが、夫の顔も見たくないので出ていってもらったそうです。そして、私にも気を付けるように言いました。
しばらくして、夜遅く帰宅すると、玄関前に変わり果てた姿の義博さんが立っていました。「な、なんで・・・」茫然と呟くと、「だって、里穂電話もメールも返事くれないからさ」と言います。それはそでしょう。だってブロックをしましたから。

「里穂・・・お前は俺を捨てないよな?俺も追い詰められてたんだ。社長一族の者として、成果も求められるし・・・」情けない顔で言い訳を始めますが、すでに「・・・私には関係のない話です」

すると義博さんが唇を吊り上げました。「俺と一緒で楽しかっただろう?な、やり直そう。ユナはわがままだし、栄子はおっかないし、遥は俺をごみを見るような目で見てくるし、やっぱり俺にはお前が・・・」と言いながら、一歩一歩近づいてきます。

私は咄嗟に防犯ブザーを鳴らしました。「なっ・・・」けたたましい音に、義博さんが一瞬止まります。「これ以上近づいたら警察呼びます!さっさと帰って」と叫ぶと、「ふ、ふん!行き遅れが!後悔しても知らないからな!」と情けない捨て台詞を残して逃げていきました。

私は急いで家に入り鍵を閉め、その場にへなへなと座り込みます。「栄子さんの言う通り、気を付けておいてよかった・・・!」社会人になって初めての恋の終わりが、まさか防犯ブザーで相手を追っ払うことになるなんて・・・。なんともやるせない幕切れです。
栄子さんの懸念どおり、義博さんが変わり果てた姿でやってきました。さらに自己中心的な理由で里穂さんに復縁を迫ります。咄嗟に機転を利かせたことで、無事に義博さんを追い払うことができましたが、どこまでも情けない姿に、自身にも反省すべき点があるとはいえ、里穂さんも縁が切れて良かったのではないでしょうか。
※ストーリーはフィクションです。登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:ねむりひつじ
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