[職業紹介]子どもの進路についてAPOLLO BEAUTY CLINIC院長の鬼沢先生にお伺いしました。

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6.私の交友関係について

私には数多くの友人がいます。これは私にとって唯一の自慢です。
私の友人で、世界的に成功を収めているロックバンドのヴォーカルに、(とても失礼な話ではありますが)私が常々思っていたある疑問をぶつけてみました。

「もし自分の音楽が売れなかったら、周囲から受け入れられなかったら、自分の人生がどうなっていたか考えたことないの?」と。
この質問に対し彼は私の目を真っ直ぐ見ながら即答しました。

「考えたことなんて全くない。僕らがつくるもの、僕らがやることが世界で一番良いものだっていつでも思っているから。」と。


この質問を私の友人である他のどのアーティストに問うても、ほとんど同じ答えが返ってきます。不思議なことに音楽アーティストだけでなく、私と交友関係のあるアイドルや俳優、映画監督からも、同じ答えが返ってくるのです。

彼らは誰一人として、周りから強制されて受動的に今の進路についている人などいません。ただ自発的に進路や目標を定め取り組み、自分とは何者かを知り、将来の明確なビジョンをイメージし、素直に自分の可能性を信じ続けた結果なのです。

そしてそこにはいつも、若い自分よりも深い知見を持った大人達がいて、その大人達と長い時間をかけて対話してきたに違いありません。

私がこれまで長々と書いてきた文章は、つまりこういうことです。
きっと彼らにも苦しい時代があったでしょう。そしてこれからも苦しい局面がいくつも待ち受けているでしょう。私は芸術家ではありません。

医学という対極にある仕事をしているので、彼ら芸術家の気心は知れません。しかし彼らのつくる作品は、今までもこれからも、いつだって私たちの心に響くものであるはずです。

目標を叶えた数多くの友人に囲まれて、私は少し不思議な気持ちです。性格も性別も職業も全く違う者同士が、いったいどうやって接点をもち、ここまで仲良くなれたのかと。


それはおそらく、若い頃、自分を信じて自発的に人生を決定してきた者同士だからこそ理解し合えるのかも知れません。そういった意味では、苦労はしましたが、私は本当に幸せ者です。

これから進路を決める中高生の方々には、(押し付けがましいかも知れませんが)将来こんな素敵な友人に囲まれて過ごしてほしいと思います。

世界的に成功を収めるなんて大それたことなど考えなくても良いのです。ただ最高の自分を目指すことと、それを達成するためにはどんな進路にすれば良いのかをしっかり考え、それを少しでも知る大人達とじっくり時間をかけて話し合ってみてほしいのです。

そして将来友人に「僕らがやることが世界で一番良いものだっていつでも思っている」と真っ直ぐな目で答えられるような進路を歩んでほしいと心から願っています。

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